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【ホークス育成新人File】中村亮太、育成8位からの逆襲。楽天1位早川に投げ勝つ日を夢見て

田尻耕太郎スポーツライター
速球に磨きをかけていきたい(筆者撮影)

 育成8位ルーキーの中村亮太投手。担当の作山和英スカウトは「最速151キロ。長身のオーソドックスな素材型右オーバースロー。腕のしなりが良く、スピンの利いたストレートのキレは抜群」と評する。

 入団発表の際には、阪神やオリックスで監督やGMを務めたことのある中村勝広氏の親戚であることを明かした。中村亮によれば「祖父の兄弟」とのことで、「小学生の頃は家にも来ていた」という。

 野球人としては雲の上の存在ともいえる偉人だが、当時は「かっちゃん」と呼び、野球指導もしてもらっていた。ただ、よく覚えているのは技術の事よりも精神面のこと。「克己心」という言葉だ。

「男とはこう生きるんだということを教わりました」

高3の夏、早川と投げ合い1点差の試合

 中村亮は千葉県出身。千葉経大附属高校時代から140キロを超える直球を投げ、高3夏の県大会では4強まで進出した。この敗れた準決勝がこれまでの野球人生で最も悔しい試合だ。木更津総合高校を相手に6回まで1失点と好投したが、その後失点をしてしまい5対6での逆転負けだった。この時の木更津総合のエースが、同じ昨秋ドラフトで1位指名を受けて早稲田大学から入団した早川隆久だった。ドラフト1位とドラフト最下位というスタートラインになったが、また同じマウンドで投げ合って今度は勝利するのが目標になる。

 東京農業大学北海道オホーツクでは2年生のリーグ戦で優秀投手賞を獲得。3年生で大学野球選手権に出場してベスト4入りを果たした。

「ギリギリ(の順位)ではあったが、スタートラインに立ててよかった。(大学の先輩の)周東さんのように支配下になり、一軍で活躍したい」

中村亮太(なかむら・りょうた)

 1998年5月18日生まれ、22歳。千葉県出身。O型。右投右打。和良比小学校時代は桜木ライオンズ、四街道中学校時代は千葉市リトルシニアに所属。千葉経済大附属高校から東京農業大学北海道オホーツクを経て2020年育成ドラフト8位で入団。背番号は137。

 野球を始めたきっかけは、人手不足だった少年野球チームの友人に誘われたから。子どもの頃に憧れたのは元阪神の藤川球児投手。目標は山本由伸投手(オリックス)。好きな食べ物は焼肉、すし、ラーメン。苦手な食べ物は苦いもの。好きな言葉は「感謝」。たくさんの人に支えられ、今の自分があるから。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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