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藤浪晋太郎の3勝と大谷翔平の5勝と千賀滉大の6勝は、いずれも現時点のチーム最多勝

宇根夏樹ベースボール・ライター
藤浪晋太郎(オークランド・アスレティックス)May 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月10日、千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)は、7イニングを投げて1失点(自責点0)に抑え、シーズン6勝目を挙げた。

 同じ日、藤浪晋太郎(オークランド・アスレティックス)は、1対1で迎えた9回裏に登板し、2人目をストレートの四球で歩かせたものの、あとの3人をアウトに仕留め、無失点でイニングを終わらせた。10回表にアスレティックスが1点を挙げ、その裏をサム・ロングが締めくくり、藤浪はシーズン3勝目を手にした。

 千賀と藤浪の白星は、どちらも、それぞれのチームで最も多い。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の5勝も、チーム最多だ。

 各チームで白星が最も多い投手は、以下のとおり。4勝未満でチーム最多勝は、藤浪しかいない。

筆者作成
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 千賀と大谷のチーム最多勝は、順当なところだろう。メッツもエンジェルスも、先発5登板以上で防御率3.50未満の投手は、他にはいない。一方、藤浪の防御率は、先発とリリーフを問わず、アスレティックスで7登板以上の19人のなかで最も高い。全29投手中、3人の防御率は藤浪より高いが、いずれも7登板未満で6イニングを投げていない。

 藤浪の白星は、すべて、リリーフとして投げた試合だ。6月2日のオープナーを含む、先発5登板の0勝5敗に対し、リリーフの15登板は、3勝を挙げて1敗しか喫していない。それ以外に、ホールドとセーブ失敗を1ずつ記録している。

 もっとも、先発16.0イニングの防御率14.63ほどではないものの、リリーフ17.2イニングの防御率も、8.15と高い。また、登板時に塁上にいた走者9人のうち、半数近い4人に生還されている。

 1勝目も2勝目も、白星までの流れは、3勝目と似ていた。5月12日の登板は、2点ビハインドの10回表、1死一、二塁から。5月30日は、同点の9回表、2死走者なしから。どちらの試合も、藤浪は得点を許さず、その裏にアスレティックスがサヨナラ勝ちを収めた。

 なお、藤浪が3勝目を挙げた試合で、アスレティックスは連勝を4に伸ばしたが、それでもまだ、シーズン16勝に過ぎない。千賀と大谷、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の白星を合計すると、16勝となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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