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アイドルシーン停滞の中、5回目のクリスマスに上昇を続ける=LOVE。初期曲の続編で見せた成長の証

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(左から)齋藤樹愛羅、大谷映美里、齊藤なぎさ、音嶋莉沙、諸橋沙夏(撮影/松下茜)

停滞気味のアイドルシーンの中、今年だけで日本武道館、横浜アリーナ、幕張メッセと制覇していった=LOVE。指原莉乃プロデュースでデビューして4年、10枚目となるシングル『The 5th』は、2ndシングルのアフターストーリーを描いた大人のクリスマスソングだ。グループとしての成長も形になった中、上昇カーブが止まらない理由をメンバーから5人の話に探った。

ただの子どもから大人になりました(笑)

――『The 5th』は『僕らの制服クリスマス』の続編。4年前の『僕クリ』のMVを観ると、やっぱり変わったと思います?

齊藤なぎさ 私は前髪をヘンなふうに巻いていたなと思いました(笑)。リップシーンも慣れてない感じで、顔がこわばっていたり首が曲がっちゃっていたり。そのときにしか出せない学生のキラキラ感もありましたけど、今回の『The 5th』を観ると、みんな大人になったなと思います。

齋藤樹愛羅 本当にただの子どもでした(笑)。今は歌詞にあるように<あの頃より大人になった>と思います。そこは最初から歌いたくて、自分のパートになって良かったです。

大谷映美里 樹愛羅は中身はまだ子どもっぽくてかわいらしい部分がありますけど、外見がすごくきれいになりました。

樹愛羅 直接そう言ってもらいました。

大谷 大人になったねと、しみじみします。

諸橋沙夏 ママなの(笑)?

音嶋莉沙 私も樹愛羅は表情も歌声もすごく大人っぽくなったと感じます。

――莉沙さんは2年前に「健康診断の採血で注射をされて大泣きした」という話がありましたが(笑)、最近のワクチン接種では大丈夫になりました?

音嶋 大丈夫でした。インフルエンザの予防接種はちょっと痛いので、涙目になっちゃうんですけど(笑)。

大谷 莉沙は薬が飲めなくて、子ども用のにしているんだよね(笑)。

音嶋 錠剤が飲めないんです。もらっても砕いて噛んじゃいます(笑)。

樹愛羅 「おくすり飲めたね」みたいに言ってます(笑)。

違和感なかった制服が大丈夫かなと(笑)

――映美里さんは4年前とは変わりました?

大谷 制服を着ても違和感なかったのが、今は「大丈夫かな?」と力が入ります(笑)。今回のMVはオフィスのシチュエーションで、ちょっと安心しました。

――でも、今回のMVでも、昔以上にかわいい表情が出ていたと思います。

大谷 自然体の表情はできるようになったかなと。そこはちょっと成長を感じます。

――最年長の沙夏さんは?

諸橋 変わったところはパッと思いつきません。

なぎさ 変わってるよ! 沙夏は当時からきれいなお姉さんという感じでしたけど、もっとかわいくなったし、歌も見せ方もすごく上手くなった。

諸橋 私も制服を着るのは抵抗を感じるようになりました。今回もビクビクしていたら(笑)、大人っぽい感じだったので良かったです。

見せ方が上手になって絆も感じるように

――グループとしてはこの4年で、どんな変化がありました?

なぎさ みんな見せ方がすごく上手になったと思います。リップシーンも最初の頃はぎこちなくて、1人が撮っているのをみんなで見守って、「大丈夫だよ」とか言い合っていたんです。今は自然に、すごくかわいいリップリーンが撮れるようになりました。あと、グループ内で何も気をつかわず、話せるようになったかな。

――今年は日本武道館、横浜アリーナ、幕張メッセと大会場のステージに立って、ライブ前にあまり緊張しなくなったりも?

大谷 いえ、ライブ前はいつまで経ってもテンパって、直前まで裏で手を繋ぎ合ったり、抱き合ったりしています。でも、お互いの心配もしていて、ちょっとは心の余裕ができたかもしれません。

諸橋 (野口)衣織が本番前はすごく緊張してますけど、このメンバーは意外と肝が据わってる? 「失敗しても何とかなるでしょう」みたいな(笑)。

樹愛羅 確かに私も緊張はしないほうで、「失敗したらどうしよう?」と思っても、ステージに出たら、もう楽しむだけです。

ハッシュタグ女”としてSNSを大切に

――それにしても、今は以前ほどアイドルシーンが盛り上がってない中で、=LOVEは快進撃を続けています。何か特別なものがあるんでしょうか?

大谷 もちろん周りの方のおかげもありますけど、みんな個人のお仕事が増えていて。沙夏が舞台に出たり、なぎさが1人でテレビで頑張ってくれていたり、私たちもモデルをやらせていただいて。みんな次に繋げる気持ちで、ひとつひとつに臨んでいるのが、身になってきているみたいです。

――なぎささんは『超無敵クラス』にレギュラー出演して、地上波の影響力は感じますか?

なぎさ ファンの方はもちろん、メンバーもツイートしてくれたり「観てるよ」と連絡をくれて、すごく嬉しいです。自分1人の力で出られる番組ではなくて、指原さんやメンバーのおかげだったりもする中で、ちょっとでもイコラブの名前を知っていただけるように頑張っていきたいです。

――放送日は毎回のように「#齊藤なぎさ」がトレンド入りしています。

なぎさ SNSはすごく大切にしています。私、ハッシュタグ女と言ってますけど(笑)、トレンド入りしたら「何だろう?」とクリックしてもらえるので。ストーリーも投稿もツイッターも全部、文をすごく考えています。番組では、あまり自分から入っていける感じでないので、しゃべれる場面を整理して「ここは行ける」というところで頑張っています。

――ギャル系の人たちがグイグイ行く中で。

なぎさ そうなんです。みんな、すごくやさしいんですけど、メンバーとは属性の違う子が多くて(笑)、まだ少し緊張してしまいます。

音嶋 姉妹グループのノイミー(≠ME)ちゃんに負けられない、というのもあります。合同ライブでも、それぞれの良さがあると感じましたけど、ノイミーちゃんのスキルがどんどん上がっているのがわかって。自分たちもパフォーマンス面でもっと頑張らなきゃと、刺激を受けています。

大人のクリスマスの理想そのものです

――『The 5th』は沙夏さんから見ると、「大人のクリスマスはこんな感じ」といったところですか?

諸橋 私はクリスマスは親と過ごすか、友だちも3人しかいないので(笑)、その友だちの家に行くしかなくて。この歌詞を読んで、世の中ではクリスマスはこうなんだと知りました(笑)。ケーキもホールで予約するんだなと。でも、理想ですね。ちょっと高いワインを買って乾杯とかしたいです。

――自分のスペシャルメニューもふるまって?

諸橋 それは出前でいいと思います(笑)。

大谷 私も理想そのものだと思いました。小さい頃にマンガで見ていた世界というか。でも、実際にこういうクリスマスをしている人もいるんだろうなと、羨ましいです。歌詞が男の子目線で、曲に自分が守られているような感覚になります。

――映美里さんはワイングラスを傾けたりは?

大谷 最近、姉の結婚式で傾けました。大人っぽくシャンパンも飲みました。

音嶋 クリスマスに街に出て、好きな人と一緒にいる方たちを見ると、この歌詞みたいに過ごすのかなと思います。そういう想像をするのは好きで、いつか自分もあんなふうになれたらいいなと憧れます。

何年後かにこういう恋愛をしたいなと

――現役高校生のなぎささん、樹愛羅さんは、まだ『僕クリ』のほうが身近に感じますか?

樹愛羅 確かに制服を着ている年なので、ホールケーキはまだ先で、コンビニケーキですね(笑)。でも、いつかはこんなクリスマスをしたいです。

なぎさ ホワイトクリスマスに薬指リングって、すごく素敵。私はクリスマスに雪が降るのを見たことがないので、一回は体験したいですし、何年後かにこういう恋愛もしたいですね。しかも、『僕クリ』から4年つき合ってゴールインって、最高です。

――高校でつき合った人と結婚するのが夢、という女子もいますよね。

なぎさ 歌の中でも一途にその人を想い続けるのが素敵で、やっと5回目のクリスマスで勇気を出せたんだなと思いました。

諸橋 私が高校生のときは結婚なんて考えたことはなかったですけど、先輩が高校のときの彼と結婚した話は聞きました。青春時代からゴールインって憧れですし、周りの人たちも嬉しいでしょうね。

恥ずかしいくらいのことをしてほしくて(笑)

――MVではメンバーそれぞれのクリスマスが描かれています。莉沙さんは高級車に乗った彼氏が迎えにきてバラの花束をもらったり、いかにも姫キャラっぽいですね(笑)。

音嶋 オープンカーは人目が気になるかもしれませんけど(笑)、オシャレな車で迎えてに来てくれて、突然バラの花束をもらえたら、すごくロマンチックだなと思いました。私はみんなが「そんなの恥ずかしい」と思うような、ぶっ飛んだことをされたくて(笑)。だから、撮影はすごく楽しかったです。

――映美里さんはオフィスで残業中で、リアリティがありました?

大谷 約束をしてなかった彼がサプライズで来てくれた設定で、私もイコラブに入ってなかったら、こういう生活をしていたかなと、ちょっと妄想しました(笑)。私は今まで、MVの(髙松)瞳みたいに家でのクリスマスパーティーが理想でしたけど、今回のシチュエーションを演じて、これがいいなと思ったりもしました。

――クマのぬいぐるみをもらって、ガチで嬉しそうでしたね。

大谷 何も聞いてなかったので、めちゃくちゃ嬉しかったです。あとでメンバーに聞いたら「指輪をもらった」と話していて、「私はクマだったのか」とビックリしました(笑)。たぶん私が指輪だと本当の大人すぎるから、クマでかわいらしさを出していただいたのかなと。

告白されるなら観覧車の一番上で(笑)

――樹愛羅さんはスノードームをもらってました。

樹愛羅 ケーキだけだとなくなっちゃうので、残せるもので部屋に飾れるのは嬉しいですね。

なぎさ 私はワイヤレスイヤホンだったんです。実際は箱だけで中身は空だったと思いますけど、相手役の方に何をくれたのか聞いたらイヤホンと言われて、ちょうど欲しかったので「やったー!」となったのが、MVに映ってました。でも、みんなが指輪やぬいぐるみやスノードームをもらっていた中で、私はイヤホンという(笑)。

諸橋 現実的(笑)。

――沙夏さんはキャンプ場の設定だったんですか?

諸橋 グランピングです。インドア派だから、初めて聞いた言葉でした。私はクリスマスは居酒屋さんや焼鳥屋さんでも構いません(笑)。MVの瞳みたいに家で一緒にごはんを作って雪を見て、指輪を渡されるのが理想です。

――莉沙さんは焼鳥屋さんだったら「何だよ」って感じですか(笑)?

音嶋 「何だよ」とはなりません。でも、夜景が見えるレストランとかがいいです。

諸橋 高級居酒屋は(笑)?

音嶋 告白とか大事な場面では、騒がしくないところに連れていっていただきたいです(笑)。2人の世界に入りたいので。

――莉沙さんと沙夏さんは正反対なんですね。

なぎさ 私は観覧車の一番上がいい(笑)。

――ベタな感じで(笑)。

なぎさ それか、こたつに入って、みかんを食べているときに、突然「結婚しようか」と言われるのもいいです。そのどちらかで(笑)!

1秒のパートに命を懸けました

――今回、大サビ前の<ずっとずっと……>を沙夏さんとなぎささんで歌っているということで、ツイッターで盛り上がっていましたね。

諸橋 MVでは映っていませんけど、“さなーたん”の2人で歌うパートは10枚目のシングルで初めてなんです。

なぎさ 歌割りが送られてきたとき、ハーッとなりました。しかも、曲が盛り上がる前のところだったので。

諸橋 嬉しくてソワソワしました。1秒くらいのところですけど。

なぎさ 命を懸けました(笑)。

諸橋 振りもあるので、ライブで注目してほしいです。

――スタジオでレコーディングしていて、クリスマス気分を盛り上げるために何かしたりは?

大谷 私はノートに「こんなふうに歌おう」というのを全部書いていたんですけど、語尾にニコちゃんマークをいっぱい入れました。「笑って歌おう」ということで。でも、この曲を歌っていると、幸せすぎて涙が出ちゃいそうになります。

なぎさ わかる!

大谷 そんな歌は初めてでした。

――どの辺でくるんですか?

大谷 全部ですけど、Dメロの<君を壊さないように>はすごく大切にされている感じがして、グッときました。

音嶋 私はこういう曲だと、自分が思っているより暗く歌ってしまうことが多くて。テンションが上がるように、いろいろな場所のイルミネーションやクリスマスケーキの画像を見ながら、歌ったりしました。

もうネクストアイドルではありません

――今回は『僕クリ』から5回目のクリスマスの曲ですが、さらに5回経ったクリスマスの曲も歌いたかったりしますか(笑)?

大谷 私たちはもうアラサーになっているので(笑)。

諸橋 本当に居酒屋の歌になっているかも(笑)。

なぎさ このカップルに子どもも生まれているんじゃない(笑)?

――リアルな話が(笑)。差し当たって来年は、=LOVEはさらに突き進んでいきますよね?

諸橋 やっとネクストアイドルではなくなったと私は思っているので、もっとたくさんの歌番組に出させてもらえるようになりたいです。街中がイコラブに染まる年になったら嬉しいです。

なぎさ みんなでもっと盛り上がって、さらに大きい会場でライブができるように成長したいと思います。

――今年以上に大きい会場というと、スタジアム級になりますが。

なぎさ いろいろな会場で歌えるように頑張ります。

代々木アニメーション学院提供
代々木アニメーション学院提供

=LOVE(イコールラブ)

指原莉乃が代々木アニメーション学院のバックアップのもと、プロデュースするアイドルグループ。2017年4月に結成。同年9月にシングル『=LOVE』でメジャーデビュー。2021年1月に日本武道館2days公演を開催。同年5月に1stアルバム『全部、内緒。』を発売。

大谷映美里(おおたに・えみり) 1998年3月15日生まれ、東京都出身
大谷映美里(おおたに・えみり) 1998年3月15日生まれ、東京都出身

音嶋莉沙(おとしま・りさ) 1998年8月11日生まれ、福岡県出身
音嶋莉沙(おとしま・りさ) 1998年8月11日生まれ、福岡県出身

齋藤樹愛羅(さいとう・きあら) 2004年11月26日生まれ、栃木県出身
齋藤樹愛羅(さいとう・きあら) 2004年11月26日生まれ、栃木県出身

齊藤なぎさ(さいとう・なぎさ) 2003年7月6日生まれ、東京都出身
齊藤なぎさ(さいとう・なぎさ) 2003年7月6日生まれ、東京都出身

諸橋沙夏(もろはし・さな) 1996年8月3日生まれ、福島県出身
諸橋沙夏(もろはし・さな) 1996年8月3日生まれ、福島県出身

『The 5th』

12月15日発売

Type-A~C(CD+DVD) 1650円(税込)

Type-D(CD) 1100円(税込)

Type-A
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芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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