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沖縄キャンプ実施のサムスン、千葉ロッテと初の練習試合 ヤクルトとは8年ぶりに対戦

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
沖縄キャンプで投球練習をするペク・チョンヒョン(写真:ストライク・ゾーン)

日本同様に2月1日から韓国KBOリーグ全10球団の春季キャンプがスタートする。

(関連項目:2020年日韓22球団 春季キャンプ日程表

昨年秋のキャンプでは各球団とも、日韓両国間の政治的関係悪化による対外的イメージを重視。来日した球団は2018年の8球団からゼロとなった。しかし春のキャンプは昨年の7球団に対し、今年は3球団が宮崎、沖縄にやってくる。

うちトゥサンベアーズとLGツインズはオーストラリアでの1次キャンプを打ち上げた後、2次キャンプで日本入り。サムスンライオンズはキャンプ全日程を沖縄・恩納村のONNA赤間ボール・パークで過ごす。

サムスンは今年の沖縄キャンプでNPBとの練習試合を4球団、計5試合予定している。そのうち2試合が千葉ロッテとの対戦だ。

一次キャンプを石垣島で行い、2月中旬に沖縄本島に移動してくる千葉ロッテが、サムスンと沖縄で練習試合を行うのは2008年のキャンプ地移転後、今回が初めてとなる。

サムスンには2017年まで千葉ロッテで投手コーチを務めた落合英二氏が在籍するが、今年から役職が1軍投手コーチから2軍監督となったため沖縄入りはせず、韓国のファーム施設で若手選手の育成に努める予定だ。

昨春のキャンプでの落合英二現二軍監督(写真:ストライク・ゾーン)
昨春のキャンプでの落合英二現二軍監督(写真:ストライク・ゾーン)

またサムスンはヤクルトと2012年以来、8年ぶりに練習試合で顔を合わせる。今季からヤクルトの指揮を執る高津臣吾監督は現役だった2008年に韓国でプレー。ヒーローズ(現キウムヒーローズ)でクローザーを務めた。

サムスンには高津監督のヒーローズでの元同僚、勝ちゲームでの継投もあったファン・ドゥソン元投手がブルペンコーチとして在籍。今回の対戦で久々の再会もあるだろう。

(関連記事:ヤクルト・高津新監督就任 韓国の元同僚は「監督になるべき尊敬できる人」と祝福

サムスンは千葉ロッテ、ヤクルトの他に巨人、日本ハムと1試合ずつ対戦予定。千葉ロッテ戦以外はそれぞれのキャンプ地でのビジターゲームとなる。

千葉ロッテとの練習試合が行われるサムスンのキャンプ地、ONNA赤間ボール・パークはビーチリゾート地の西海岸エリアにある。

2005年の完成以来、サムスンのキャンプ地として使用され、室内練習場の建設にはサムスンも一部協力。建物正面には「ONNASON・SAMSUNG DOME」の石碑が立てられている。

恩納村多目的運動場(室内練習場)前の石碑(写真:ストライク・ゾーン)
恩納村多目的運動場(室内練習場)前の石碑(写真:ストライク・ゾーン)

黒土と天然芝のグラウンドにブルーのフェンスが鮮やかな本球場を中心に、守備練習が行われるサブグラウンド、キャッチボールやウォーミングアップができるサッカー場を併設。その他にも運動公園の敷地内にはトレーニングジムと陸上競技場もあり、充実した練習施設を備えているのが特徴だ。

ホームベース後方からのONNA赤間ボール・パーク(写真:ストライク・ゾーン)
ホームベース後方からのONNA赤間ボール・パーク(写真:ストライク・ゾーン)

サムスンはこの地でキャンプを行って以後、しばらく黄金時代を築いていたが、この4年間は下位に低迷している。今年は現役時代の通算成績が0勝の元投手で、昨年までスコアラーのトップを務めていたホ・サムヨン氏(47)を監督に大抜擢し、チームの再構築を目指している。

また阪神、メジャーリーグでプレーしたオ・スンファンは昨季途中帰国し、6年ぶりに古巣に復帰。沖縄キャンプにも参加する。そして海外での違法賭博による72試合の出場停止処分(昨季のKBO復帰時から)が解ける5月に、再び守護神として姿を見せる見込みだ。

◇サムスンライオンズ 2020年春季キャンプ日程

期間:2月1日~3月5日

休日:2月4日、8日、13日、19日、23日、27日、3月3日(変更の場合あり)

練習試合:2月12日・ヤクルト(浦添)、15日・巨人(セルラー)、16日・千葉ロッテ(赤間)、18日・日本ハム(名護)、20日・千葉ロッテ(赤間) いずれも13時試合開始予定

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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