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固定資産税を少しでもおトクに支払うには?【2020年2月加筆】

豊田眞弓永続家計アドバイザー/FP/大学非常勤講師
節約(写真:アフロ)

5、6月は、個人的に痛い連続出費の季節。国民年金や国民年金基金の年払いに、昔入った個人年金保険や医療保険の年払いが重なり、そして固定資産税。今回は固定資産税を、支払い方で少しでも軽減できればということで、過去2年間の体験も踏まえて整理してみます。

■分割納付が基本

1月1日現在の土地・家屋の所有者に課税されるのが固定資産税。年4回の分割納付が基本で、私自身も以前は分割納付の口座振替にしていました。自治体によっては一括納付も可能ですが、一括納付をしても割引などはありません。

分割納付をする場合、口座振替以外では次のような方法があります。

<口座振替以外の支払い方>

・自治体指定の金融機関や公金収納取扱店、郵便局で支払う

・自治体の主税局で支払う

・コンビニ収納

・Pay-easy(ペイジー)対応の、ネットバンキングやモバイルバンキング、ATM

・専用サイトでのクレジットカードによる納付(決済手数料がかかります)

4期分の一般的な納期も整理しておきます。地方税なので、スケジュールは自治体で異なる場合があります。

<納期>(2019年度の場合)

第1期:6月1日~7月1日

第2期:9月1日~9月30日

第3期:12月1日~12月27日

第4期:2月1日~3月2日

*一括払いの場合には納期の記載はありませんが、第1期の期限までに支払わないと延滞の対象となることから、やはり第1期と同じと考えておくといいでしょう。

ちなみに、延滞をすると、年14.6%(当初1カ月は年7.3%)の日割り分の延滞金がかかるので、延滞だけは避けたいもの。

どうしても厳しい場合は、延滞する前に主税事務所で相談をするようにしましょう。

■専用サイトでのクレジットカード払い

一昨年は、固定資産税について、専用サイトでのクレジットカード払いをしました。一部の自治体で可能になり始めたので、やってみた次第です。

固定資産税のクレジットカード払いは、自治体が設けた専用サイトや「Yahoo!公金支払い」のサイトで行う必要があります。ただし、そもそも可能かどうか、上限額はどうかなども含め自治体によって異なりますので、利用の際には確認が必要です。

・専用サイト:東京23区の場合は「都税クレジットカード支払いサイト」

・Yahoo!公金支払い:固定資産税の支払いが可能な自治体はこちら

いずれも決済手数料がかかります。

<都税クレジットカード支払いサイト>

税額1円~10,000円⇒決済手数料73円(消費税込78円)

※税額が10,000円増えるごとに決済手数料73円(消費税別)が加算

例)納税10万円⇒決済手数料780円

  納税20万円⇒決済手数料1560円

  納税30万円⇒決済手数料2340円

Yahoo!公金支払い

決済手数料は自治体で異なります。

クレジットカード払いの場合、決済手数料がかかるのですが、クレジットカードのポイントが付くので差引分がプラスになります。例えば納税20万円の例で、クレジットカードのポイントは次のようになります。

<クレジットカードのポイント>

例)固定資産税が20万円の場合

還元率と円換算額(都税クレジットカード支払いの手数料との差額)

 0.5%⇒1000円(▲560円)

 1%⇒2000円 (+440円)

 1.2%⇒2400円(+840円)

都税クレジットカード支払いサイトを利用する場合、決済手数料が1560円かかるので、還元率0.5%のカードで支払うと赤字になってしまいます。1%でも+440円です。

高還元率のクレジットカードを持っていなかった私は、4期の口座振替にしようかと迷いましたが、クレジットカードのキャンペーンを目にして気が変わりました。保有していたクレジットカードが、還元率自体は0.5%でしたが、10万円以上のカード払いに対して3000円分のポイントを付ける期間限定キャンペーンを行っていたのです。

そうしたキャンペーンがないかどうか、確認してみるのも手かもしれません(特に新規のクレジットカードに多いようです)。

■電子マネー(nanaco)によるコンビニ払い

昨年は、電子マネー(nanaco)によるコンビニ払いに挑戦しました。事前にネットでクレジットカードからnanacoへのチャージを行い、セブンイレブンへ行き、固定資産税の支払いを行いました。

nanacoで支払った分にポイントは付かないものの、クレジットカードからnanacoにチャージした分にはポイントが付きます。ただし、注意点が2つ。

注意点1・チャージ分がポイント還元されるクレジットカードは限られる

Yahoo!カード*、セブンカードプラス*、リクルートカード**など)

Yahoo!カードセブンカードプラスのnanacoチャージ分はポイント0.5%

**リクルートカードのポイント還元率は1.2%。ただし、ポイントがつくnanacoチャージは月3万円以下

注意点2・チャージできるのは10万円まで

nanacoサイトで事前にチャージが必要。センター預かりは5万円までなので、センター預かり→セブンイレブンで残高確認をしてカードに入金という作業を繰り返す)

10万円以上を1度に支払う裏ワザもあるようですが、個人的には利用したことはありません。手間ではありますが、今は4期に分けて支払っています。

<クレジットカードのポイント換算>

固定資産税が20万円の例

4回に分けて 5万円×4回 還元率 0.5%⇒1000円

手間がかかることを除けば、nanacoの方がほんの少しおトクでしょうか(前述のようなキャンペーンがない場合)。

結果は、住んでいる自治体や持っているクレジットカード、固定資産税額などで変わってきますので、ご自身で試算して確かめましょう。

■LINE Payでの支払いも登場

福岡市ではLINE Payによる固定資産税の支払いをスタートしています。「請求書支払い」といって、自分のスマホで請求書のバーコードを読み込んでの支払いとなります。決済手数料はかかりません。

福岡市「LINE Pay 請求書支払い」

LINE Payには利用実績によって0.5~2%のポイントがつきますが、残念ながら税金は対象外。ただし、取引額の実績として、翌月の割引率の判定の対象にはなるようです。

■自分の性格を見極めムリのない方法で

たかが数百円のことに時間を使う方はムダ、という人いるかもしれません。ストレスを感じるなら初めから口座振替にするのがいいでしょう。

しかし、されど数百円。ちょっとの手間が苦にならない人にとっては、数百円でも節約できるのは大きいことでしょう。

いずれにしても、注意すべきは延滞です。前述のように延滞金がかかりますので、ご自身の性格を見極め、ムリのない確実な方法を選びたいものですね!

*急な変更もありますので、ご自身で確認をした上で実行してください。

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永続家計アドバイザー/FP/大学非常勤講師

<生涯永続できる家計の実現を!> マネー誌・女性誌等のライター・コラムニストを経て、独立系FPへ。講演・研修、コラム執筆や監修、個人相談などを業務としている。ライフワークとして、子どもから大人の方まで幅広く金融経済教育に携わっている。亜細亜大学ほかで非常勤講師、子どもマネー総合研究会理事を務める。趣味は講談、投資、猫に添い寝。

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