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260ヤードの飛ばし屋、全米女子OP初制覇したキム・アリムのドライバーヘッドは通常よりも小さい!?

金明昱スポーツライター
キム・アリムが使用しているPINGのドライバーヘッドは通常よりも小さいという(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 女子ゴルフの全米女子オープンで、初出場で初優勝した韓国のキム・アリム。

 韓国ツアーを主戦場とする25歳は、最終日に首位の渋野日向子を逆転し、通算3アンダーで優勝を手にした。“韓国のシンデレラガール”として、一気にその名を世界に知らしめたが、一方で注目を集めたのが、彼女のドライバーショットだ。

 175センチの長身から放たれるドライバーの平均飛距離は約260ヤード。今季、韓国ツアーのドライビングディスタンスも1位で、持ち味のパワーを武器にコースを攻略した。

 どんなゴルファーも少しでも遠くへ飛ばして、スコアアップしたいと思うもの。そうなると気になるのが、キムが使用しているドライバーだ。

 キムが使っているドライバーはPINGの「G425 LST」で、よく見ると「ヘッドの大きさが通常よりも小さい」という。

右がキム・アリム使用のドライバーヘッド(写真・「朝鮮日報」画像キャプチャー)
右がキム・アリム使用のドライバーヘッド(写真・「朝鮮日報」画像キャプチャー)

 一般紙「朝鮮日報」は、キムのドライバーをフィッティングしたピンゴルフのチョ・スンジン課長に話を聞いている。

「一般的に使用されるヘッドサイズ460ccに比べて、15cc小さい445ccのヘッドを使用しています。昨年まで450ccでしたが、今年はさらに5cc下げました」(チョ課長)

 ヘッドが大きいほど、仮に芯に当たらなくても方向性と距離への影響は少ないと言われ、近年はドライバーヘッドの大型化が進み、規定値でギリギリの460ccが主流だ。

 しかし、なぜキム・アリムは、ヘッドが小さいものを好むのか。

 同紙によると「ヘッドが小さいと心理的に落ち着き、打つ時の快適さも重視している。アドレスしたとき、ヘッドの大きさ少し小さいほうが、思い通りにクラブを使える感じがする」というのが理由だ。

 また、「今年、キムのボールの打ち出し角度は14度で、昨年よりも1度低くなり、スピン量も減っている。スピン量が減るヘッドモデルに加え、シャフトを0.5インチカットしてより強く作った結果だ。これが高い弾道を生み、より遠くに飛ぶ効果を発揮している。平均飛距離は昨年よりも5ヤード伸びた」と伝えている。

 ヘッドの大きさは選手の好みによるが、キムの飛ばしの秘密にはパワーだけでなく、道具への工夫があった。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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