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バーランダーの再契約は確定したものの、2年目の年俸2500万ドルは「なし」も!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ケイト・アップトン(左)とジャスティン・バーランダー Nov 21, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズンも、ジャスティン・バーランダーはヒューストン・アストロズで投げる。2年6600万ドルの契約が満了し、FAになったバーランダーは、アストロズが申し出た1年1840万ドルのクオリファイング・オファーを却下した後、11月半ばに再契約を交わした。

 その後、アストロズからの発表はないまま、ロックアウトに入ったが、今月半ばに正式な契約となった。どうやら、先月半ばに報じられた時点では合意の段階にあり、契約の締結はロックアウトの直前だったため、そこから、MLB機構と選手会の承認に時間がかかったということらしい。

 契約の内容については、依然として「1年2500万ドル」と「2年5000万ドル」のどちらも報じられている。前者は、1年2500万ドル(2022年)の契約に選手オプションの2500万ドル(2023年)がついている。後者は、2年5000万ドル(2022~23年)の契約1年目が終わった時点でオプト・アウトできる(選手から契約を打ち切ることができる)。いずれにせよ、2年目はバーランダーに選択権があることに変わりはない。「1年2500万ドル」と「2年5000万ドル」は、単なる表記の違いだ。

 ただ、そうではない可能性も出てきた。APは、1年2500万ドルの契約とした上で、2023年の選手オプションについて、2022年にバーランダーが130イニング以上を投げた場合に生じる、と報じている。2022年に130イニング未満であれば、シーズンが終わると自動的にFAとなるということだ。

 ここ2シーズンとも、バーランダーはほとんど投げることができなかった。登板したのは、2020年7月24日の開幕戦だけだ。直後に故障者リストへ入り、2ヵ月後にトミー・ジョン手術を受けた。来年2月に、バーランダーは39歳となる。

 一方、その前の15シーズン中12シーズンは、200イニング以上を投げている。あとの3シーズンは、2005年が11.1イニング、2006年が186.0イニング、2015年は133.1イニングだ。2006年から2019年まで、130イニングに届かなかったシーズンは一度もなかった。年齢による衰えもなし。2018年はサイ・ヤング賞の投票で1位と僅差の2位にランクインし、2019年は――こちらも僅差ながら――8年ぶり2度目の受賞を果たした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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