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アラサーになった少女時代はいま……中でも転身めざましい華麗なる【女優組】

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
少女時代のユリ(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

K-POPガールズグループ少女時代のユリ(本名クォン・ユリ)が、5月から始まる韓国の新時代劇『ポッサム 運命を盗む』(原題)でヒロインを演じる。

朝鮮王朝第15代国王・光海君(クァンヘグン)治下の時代を舞台にする同作は、寡婦を連れ去って再婚させる「ポッサム」の風習によって偶然出会った男女が身分の違いを超えて織りなす、ロマンス時代劇だ。

ユリが演じるのは、光海君と昭儀尹氏の間で生まれたオンジュ(翁主)のスギョン役。

政治的な密約で望まない結婚をさせられるが、初夜も行えず夫に先立たれてしまうだけではなく、他人と間違われてポッサムされてしまう不運な女性だという。ただ、運命に翻弄され嘆く“受け身型”ではなく、最近の韓国ドラマですっかりポピュラーになった“自分の運命は自分で切り開く”芯の強いヒロインらしい。

そんなスギョンを誤ってポッサムした“ポッサム屋”のバウ役には、現在、NHKでも放送中の韓国時代劇『ヘチ 王座への道』の主演俳優チョン・イルが務める。

チョン・イルといえば、前出の『ヘチ』をはじめ『美賊イルジメ伝』『太陽を抱く月』『夜警日誌』など、韓国時代劇の経験が豊富な“時代劇のプリンス”。ユリは時代劇初挑戦となるが、解禁された予告映像・写真を見る限り、十分期待が持てそうだ。

もともと上品なルックスと中低音の落ち着いた声で時代劇への出演を望む声が多かったユリだけに、ファンたちの間でも「ついにユリが時代劇だなんて」「韓服が本当によく似合う」と歓迎ムードらしい。

(参考記事:少女時代ユリの“抜群”な韓服姿で膨らむ期待、初挑戦の時代劇からスチールカットが到着【PHOTO】)

ドラマの予告では普段のお茶目なイメージとは裏腹な凛とした韓服姿はもちろん、男装や弓道も披露していて期待を膨らませている。

それにしても興味深いのは、「アイドルから女優」になった少女時代メンバーたちの華麗なる“転身”だ。

現在、少女時代のメンバーの中で女優業を行っているのはユリを含めユナ、スヨン、ソヒョンの4人。中で最も活躍が顕著なのはユナだろう。

映画初主演作の『EXIT イグジット』(2019年日本公開)は観客動員数940万人突破の大ヒットを飛ばしたので、名実ともに実力派女優の仲間入りを果たした。

今年は主演ドラマ『HUSH』が視聴率で苦戦したが、3月の第40回黄金撮影賞で人気賞に輝いている。

スヨンとソヒョンも着実に演技の経験を重ねている。

スヨンはNetflixで配信中のドラマ『それでも僕らは走り続ける』のソ・ダナ役を通じて何かを掴んだらしく、『スポーツソウル』のインタビューでは「演技への自信が高まった」と発言していた。

ソヒョンはNetflixオリジナル映画『モラルセンス』(仮題)の主役に抜擢された。ソヒョンはこれまで、警察官や詐欺師など個性的なキャラクターの役が多く、いい意味でファンの期待を裏切りながら役者として順調なステップアップを踏んでいる。

『モラルセンス』の主演抜擢は、これまで作品の形態やジャンル、役柄を選ばずチャレンジし続けたことが評価されてのことだろう。

ちなみにソロ活動に精力的なのは “女優組”だけではない。テヨンはボーカリスト、サニーはバラエティ、ヒョヨン(DJ HYO)はDJ、ティファニーはミュージカル分野で活躍している。

今も少女時代が根強い人気を誇るのは、メンバー全員が「アイドル」という名の過去の栄光にすがることなく、各自がそれぞれの得意分野や目指す道を開拓し、真剣に取り組んでいるからだろう。

最年少メンバーのソヒョンを除く全員が30代に突入し、もう“少女”とは言えないかもしれないが、彼女たちの“時代”はまだまだこれからだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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