本日、セブンもファミマもQRコード決済参入!…で、お得なのはどれだ?
7月1日、セブンイレブンとファミリーマートがQRコード決済をスタート!
2019年も早くも半分が終わりましたが、7月1日、大きな変化がキャッシュレス決済にも訪れています。今回の主戦場はコンビニです。
ひとつは「セブンイレブン」がQRコード決済対応をしてきたということです。ローソンとファミリーマートが早くからPayPayやLINEPayに対応してきたのと対照的に、セブンイレブンは出足の遅かったのですが、ついにQRコード決済対応をしてきました。
7月1日に対応スタートしたのは
・PayPay
・LINEPay
・メルPay(メルカリのQRコード決済)
と、自社で提供してくる
・セブンペイ
の4つになります。現状のところ、それ以外のQRコード決済には対応していません(中国の主要QRコード決済であるAlipay、WeChatPayにも対応)。
今回のポイントは「PayPayやLINEPayが主要コンビニ3社すべてに上陸した」ということと、「セブンイレブンがnanacoではない独自決済をQRコード決済で仕掛けてきた」ということになります。
まず、セブンイレブンというコンビニの巨頭にQRコード決済が上陸したインパクトは大きいと思います。今回対応したPayPay、LINEPay、メルPayは、セブンイレブンで利用した場合、最大20%還元を行うプロモーションを予定しています(7/11~7/21まで)。同じ店舗で同時期にライバル社が高還元を行うのは過去にあまり例のない取り組みで、セブンイレブンの対応を歓迎していることがうかがえます。
また、セブン独自のQRコード決済としてのセブンペイにも注目が集まります。楽天Edyは楽天Payを用意し、iPhoneでも決済対応できるようにしています。nanacoとWAON(こちらはイオン)はiPhone上陸できていなかったのですが、今回QRコード決済にも殴り込みをかけたことになります。QRコード決済の戦場は一層激しさを増すことになります。
実は7月1日という日は、nanacoポイントの還元率が、200円につき1ポイントと下がった(0.5%になった)日でもあります。セブンペイのポイントはnanacoポイントになるのですが、10月末までのキャンペーン期間中は、セブンイレブンでのセブンペイでの支払いについては還元率を2倍にし、1.0%を維持します。
また、初期登録設定をするとおにぎり一個分のクーポンを提供するなどのプロモーションも行われます。これもセブンペイへの移行を促す策です。今後は「バッジ」「マイル」なども貯まることにより、利用シーンの多い人にサービスが付加されていることもあるようです。
セブンイレブンの各種リンクページ
7Payとは
(プレスリリース)2019年7月1日(予定)より全国のセブン‐イレブンで『7pay(セブンペイ)』バーコード決済開始
https://www.sej.co.jp/var/rev0/0001/9013/11952113452.pdf
史上初!3社合同企画!セブン‐イレブンで「最大20%戻ってくる!キャンペーン」を実施
ファミリーマートはファミマアプリが「ファミペイ」アプリになったほか、Tポイントカードとの連携にも変化が
ファミリーマートについては、すでにQRコード決済の多くに対応しています。これに加える格好で、7月1日から独自QRコード決済「ファミペイ」をスタートさせました。アプリが自動的にアップデートさせるスマホであれば、ファミマアプリが変化していることに気がついたかもしれません。
初期登録を行い(7月1日時点ではアクセスがつながりにくい状態にある)、コンビニ店頭でチャージをすることでプリペイドカードの要領でアプリがQRコード決済の電子マネーになる仕組みです。
ポイントはファミペイボーナスとして貯まります。7月中は現金チャージをした場合、10%が貯まります。最大20000円までのチャージが対象なので、2000ポイントを得るチャンスになります。クレカの場合15%還元ですが、これはファミマTカードに限られます。
また、新規発行まで設定できた場合、クーポンが付与されます。クーポンの内容は選べないと表記されているのでいくつかランダムで配布されるようです。また、ファミチキなどのクーポンがあたるクジなども実施されるようです。
もともと、ファミリーマートはQRコード決済に対応していましたが、今回自社独自のQRコード決済を入れることで顧客囲い込みの新しい選択肢を増やしたことになります。ここでちょっと気になるのは今までのサービスを徐々に手直しをしていることです。
まず、7月1日からは、ファミマTポイントカードを提示した場合、一部商品が20~30円安くなるような「ファミマTカード会員限定価格」は終了しています。これはファミペイのアプリに集約していくことになるようです。
また、ファミペイのポイントはTポイントとは互換性がありません。Tポイントで貯めたものはどの加盟店でも利用できますが、ファミペイボーナスとしてたまったポイントは「ファミリーマートのみ」で利用することになります。
ファミマアプリからTポイントカードを表示させることもできなくなりました。利用額に応じてポイント還元率がアップする「ファミランク」も7月末で終了することが案内されています。
今のところ、Tポイントを付与するサービスそのものの終了はアナウンスされていませんし、ファミマTカードのクレジットカードは引き続き新規発行できます(クレカ機能のないファミマTカードは終了)。またファミマTカードでクレカ決済をした場合、Tポイントは2%還元する策が8月1日からスタートするというアナウンスもあります。
今後はTポイントとの距離感を見直しながら、ファミペイとそのアプリを通じたポイントやクーポン付与提供していくことになりそうです。
ファミリーマートに関するリンク
ファミPay
https://www.family.co.jp/services/smartphone/famipay.html
FamiPayチャージで最大15%還元 実施中!7月31日まで
https://www.family.co.jp/campaign/spot/1907_famipay-bonus_cp.html
ファミマTカードおよびTカード会員限定特典について
https://www.family.co.jp/card_point/info/info1906.html
ファミリーマートアプリT会員限定サービス終了のお知らせ
https://www.family.co.jp/card_point/info/info_fmapp.html
2019年8月1日スタート!いつでも2%貯まる (クレジット会員限定)
https://ftcard.pocketcard.co.jp/detail_new/
利用シーンと還元率が勝負だが、LINEPayとPayPayに勝てるかは「独自割引」次第か
さて、電子マネー好きのFPとしてはどれがオススメか、ポイントをまとめておかなければなりません。
セブンペイおよびファミペイについては、今のところ「そのコンビニだけ」でしか使えないQRコード決済である、ということが弱みです。そもそもLINEPayとPayPayはファミマもセブンイレブンも使えるわけですから、使えるお店の数では勝負になりません。
もしファミペイ、セブンペイの使い道があるとすれば、やはりクーポンや割引などでしょう。200円のコンビニスイーツが20円引きになるクーポンがあれば、10%オフですから、20%還元などが実施されていない時期ならPayPayやLINEPayよりお得です。
ただし標準的な還元率ではPayPayが3.0%、LINEPayが0.5~2.0%です(LINEPayは利用額によって還元率が変動する。また7月末までは+3.0%を上乗せし、3.5~5.0%還元である)。これと比べるとセブンペイの0.5%(キャンペーン中は1.0%)と、ファミペイの0.5%はいかにも低い数字に見えます。
今後還元率についてはてこ入れがあると思いますが(あるいはコンビニチャージ時のポイント還元も考えられる)、クーポンとプロモーションで便利さが際立たないのなら、LINEPayやPayPayで今のところは足りるのではないか、という印象です。
セブンイレブンとファミリーマートにとっては、LINEPayやPayPayと真っ向勝負をする、というわけではないのかもしれません。「自社だけで使えるプリペイドカード」の感覚でQRコード決済に参入している、と考えれば納得できます。タリーズやドトールなどのカフェで使うカードのようなイメージです。あるいはスタバのアプリ(利用に応じて割引券が出る)と同様に位置づけを考えてみると腑に落ちる気がします。
私たちとしては、ひとまずアプリの初期設定まで行ったら、数千円ずつチャージしてはプリペイドカードで支払うように使ってみましょう。
クーポンや割引があるならそれを活かしつつ、とはいえQRコード決済のメインとしてはLINEPayやPayPayを使う、というのが今のところの落とし所になりそうです。
セブンペイ 還元率
https://www.7pay.co.jp/features/
ファミペイ 還元率
https://www.family.co.jp/services/smartphone/famipay.html#anq-qa