【甲子園】敗退から跳ね上がる!元花巻東・大谷から学ぶセルフマネジメント力強化法
こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永です。中途の人材採用支援をしつつ、月20万人以上の読者を持つ転職エージェントが語る「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、Yahooニュース上では2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。
6日、甲子園が開幕し高校野球に関する記事が連日注目を集めています。本日AM8:00からの第一試合では、数々の名選手を輩出してきた花巻東高校が残念ながら初戦敗退となりました。
甲子園では1試合に勝利の汗を流すチーム・敗北の涙を流すチームの二分され、毎度熱い戦いになっています。
しかし、長い目でみれば、甲子園での勝敗に関わらず、甲子園後に社会人チームやプロで活躍する方がたくさんいらっしゃいますよね。
その中の1人が、本日敗退した花巻東高校出身の大谷翔平選手だと思います。
今回は、メジャーリーグでも活躍中の大谷選手も活用していた「セルフマネジメント力」に着目していきたいと思います。
大谷選手も着目した「セルフマネジメント力」
彼は2年生の夏に出場した甲子園で、肉離れによる不本意なピッチングもあり敗れてしまい涙を流した過去がありながらも、今や日本だけではなくメジャーでも大注目を集めている選手に成長しています。
彼がこれほどまでに注目される大スターとなった要因は何でしょうか?190センチを超える長身、フィジカル面によるものでしょうか?
それともがむしゃらな努力の積み重ねによるものでしょうか?
それらももちろん考えられますが、私は、「セルフマネジメント力」というものが最大の要因なのではないかと考えています。
セルフマネジメント力とは何でしょうか?日本語でいうところの「自己管理能力」を指します。
夢や目標を実現するために、自分の感情をコントロールし、モチベーションを保ったり、仕事の生産性を維持するためのタスク管理をしたりする能力のことですね。
大谷選手は、花巻東高校時代の監督・佐々木洋氏から教えられた「マンダラチャート」を使ってセルフマネジメントをしていたといいます。
中心のマスに大きな目標を設定し、その周辺に中間目標を8つ設定、さらに外側に8つずつの具体的な小目標を設定するという方法で、大きな目標を達成するための正しい努力の道筋が立てるために大変有効ですね。
ここまで具体的に自分の目標やありたい姿と、それに必要な課題を言語化・見える化しておけば、目標実現確度は高まりそうですよね。
しかし、実はマンダラチャートを活用した見える化だけがセルフマネジメント力の全てではありません。
私自身の生業は転職エージェントでありキャリアのプロと自負している中で、セルフマネジメント力は、ビジネスパーソンとして活躍するために欠かせないポータブルスキルの1つであると感じると同時に、個々人に任せるのではなく、会社側が組織的に体系的に鍛えていく事も重要であると考えています。
本日は、その理由と、夢や目標を持ったビジネスパーソンや社会人の方々が、大谷選手のように「セルフマネジメント力」を強化するためにはどうすればいいのか、その方法について語っていきたいと思います。
セルフマネジメント力が生産性の向上に繋がる
なぜビジネスパーソンが活躍するためにセルフマネジメント力は欠かせないのでしょうか?
そもそも、セルフマネジメント力がない人とはどんな人でしょうか?
たとえば、自分の感情を自分でコントロールできず、モチベーションの落差が激しい人をイメージできますね。
みなさんは、このようなセルフマネジメント力のない人と、一緒に仕事がしたいと思うでしょうか?
このような人は、常に一定の感情やモチベーションを自己管理できないため、本人はもちろん、周囲の上司や同僚に対しても影響を与え、仕事や職場の生産性にも多大な影響を来たす恐れがあります。
日本は先進国の中で労働生産性が最下位であると言われており、今後労働人口そのものも減っていく中で、日本のビジネスパーソンや組織の「生産性を上げる」ことは至上命題になってきます。
そういった文脈の中でも、企業が組織的に社員のセルフマネジメント力を向上させる事も注目されてくるのではないでしょうか。
セルフマネジメント力のPDCAサイクル
さて、これまでセルフマネジメント力の重要性について述べてきたわけですが、ストレスのない職場を作り、生産性を向上するための業務改善アプリFacileThingsを開発しているFacile Things社のCEO・Francisco Saez氏は、セルフマネジメントができる人になるために心がけるべきことについて11個の要素に分類しています。
私自身、これらの事項を参考にさせてもらった中で、セルフマネジメント力を向上するための要素はPDCAサイクルにまとめられるのではないかと考えました。
ご存知の方も多いかと思いますが、PDCAサイクルとは、P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(改善)→P(計画)…といった具合に4つの段階を循環的に繰り返し行うことで仕事を改善・効率化することができる方法です。
多くのビジネスパーソンに馴染みのある考え方なのではないでしょうか?
実際に私なりにセルフマネジメントを高める要素をPDCAサイクルに当てはめてみた内容が以下になります。
P(計画)
・自分自身の価値観や人生のゴール・長所・短所を知り、定期的に評価・調整(自己分析)
・大中小のレベルでも目標・ゴールを設定する(目標設定)
D(実行)
・楽観的に、自分が生きたいと思える人生を求めて行動する
・自分に関連する全ての事柄に関する決断を常に行ってから行動する
・目の前のことに集中するための方法や、ストレスや矛盾に対する耐性をつける方法を学習する
C(評価)
・一定の時間をおいて自分自身について自己評価を行い、常に調整を続ける
・自己分析・目標設定の改善を行う
A(改善)
・楽観的に、自分が生きたいと思える人生を求めて行動し続ける
・自分に関連する全ての事柄に関する決断を常に行ってから行動し続ける
セルフマネジメント力として着目されがちなのはP(計画)にある「目標設定」で、大谷選手が実践していた「マンダラチャート」もそれに当たります。
実は、P(計画)の部分は、私自身転職エージェントとして日頃求職者の方と面談やサポートしている際に行っていることに近しいです。
求職者の方と共に自己分析や転職の目標設定を行い、転職先の決定を行う。
弊社では転職決定後もお祝いランチや定期的にお茶などをしてお会いする機会があるのですが、あくまで転職はスタート地点にすぎず、転職活動の際に決めた自分軸を転職後、実際に実現に向けて継続して努力することの方がよほど重要であるということを日頃から伝えさせていただいています。
これはあくまで私の主観にはなるのですが、業務においてはPDCAサイクルを回せていても、自分の人生やキャリア設計においては、P(計画)のその後のD(実行)・C(評価)・A(改善)を忘れている・怠っているビジネスパーソンが多いように感じます。
セルフマネジメント力を強化し、ビジネスパーソンとして成長したり自己実現していくためには、実際に掲げた目標を楽観的かつ主体的に実行し、定期的に自己評価し、改善を重ねるというPDCAサイクルこそが重要だと思います。
企業・組織として何をすれば良いのか?
前述した通り、セルフマネジメント力の高い人材が社内に増えることは、企業にとっても大きなメリットがあると思います。
一人一人の生産性の向上、更には組織としての生産性の向上に繋がるため、企業全体の利益向上にも繋がると思います。
具体的にセルフマネジメント力向上について組織としてどう取り組むべきかという論点では、具体的には以下のような事が考えられるのではないかと思いますが、今回は長くなってしまいましたので、詳しくはまた別途記事を寄稿させていただこうと思います。
- 部署内で自己分析や目標設定をする機会を設ける
- 集中力やストレス耐性を身につける書籍や研修を用意
- 部署内で自分自身のキャリアについて見直す機会を設ける
これからの企業・組織は、自社の社員のセルフマネジメントを組織的に向上させる事で、生産性を高めていく努力が求められていくのではないでしょうか。