藤浪晋太郎は今年の夏もトレードで移籍する!? メッツのブルペンには最高のクローザーが戻ってくるが…
藤浪晋太郎は、ニューヨーク・メッツのブルペンに加わるようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンらが、1年335万ドルに最高85万ドルの出来高がつく契約で合意、と報じている。
昨オフ、藤浪は、オークランド・アスレティックスと1年325万ドル――こちらも出来高あり――の契約を交わした。そして、7月19日のトレードにより、アスレティックスからボルティモア・オリオールズへ移籍した。
今年も、夏のトレードで動くことになるかもしれない。
昨年のアスレティックスと今年のメッツは、状況が異なる。メッツは、今夏のトレード市場で売り手には回らず、むしろ、買い手として動き、ポストシーズン進出をめざす可能性もある。
ブルペンを見る限り、メッツには、ポストシーズンをめざせるメンバーが揃っている。ブルックス・レイリー、アダム・オッタビーノ、ドルー・スミスがセットアッパーを務め、最後はエドウィン・ディアズが締めくくる予定だ。今オフ、オッタビーノは、選手オプションを破棄し、メッツからFAになったが、先月下旬にメッツへ戻った。それについては、こちらで書いた。
◆「675万ドルの選手オプションを破棄した投手が、それよりも安い450万ドルで出戻る理由は!?」
セットアッパーの3人は、昨年、いずれも60試合以上に登板し、レイリーは防御率2.80と25ホールド(と3セーブ)、オッタビーノは防御率3.21と12ホールド(と12セーブ)、スミスは防御率4.15と12ホールド(と3セーブ)を記録した。
クローザーのディアズは、WBCで右膝蓋腱を断裂し、2023年のシーズンを棒に振ったが、その前は、2シーズン続けて32セーブを挙げている。2022年は、奪三振率17.13と与四球率2.61、防御率1.31。そのオフに、メッツと5年1億200万ドル(2023~27年)の再契約を交わした。この契約は、総額も年平均額も、リリーフ投手の史上最高を更新した。
また、今オフに加入したリリーバーは、藤浪だけでない。彼らがブルペンに勢揃いすることはなさそうだが――藤浪もマイナーリーグで開幕を迎えるかもしれない――メッツは、マイケル・トンキン、ホルヘ・ロペス、オースティン・アダムスも手に入れ、さらに、MLB.comのアンソニー・ディコモによると、ジェイク・ディークマンと1年400万ドルの契約で合意に達しているという。
ただ、ブルペンと違い、メッツのローテーションは、同じように数人が加わったものの、整備されたとは言い難い。それについては、こちらで書いた。
◆「今オフ3人目の投手が加わっても、メッツのエースは千賀滉大のまま。2番手クラスも不在!?」
メッツは、2022年にワイルドカードをゲットし、6年ぶりにポストシーズンへ進んだが、昨年は借金12の地区4位に終わった。そこから、再建を始めようとしているわけではないだろうが、これまでのような大型補強は行っていない。オーナーのスティーブ・コーエンは、今オフではなく、来オフのFA市場で大枚を投じようとしているように見える。
前年に続き、夏のトレード市場で売り手に回ることになっても、放出する選手の一人が藤浪であっても、おかしくはない。
昨年の夏、メッツのブルペンからは、デビッド・ロバートソン(現テキサス・レンジャーズ)とドミニク・リーオン(現FA)の2人が、それぞれ、マイアミ・マーリンズとロサンゼルス・エンジェルスへ移籍した。