ナ・リーグの本塁打トップ5には、打率.230未満が4人。彼らはパワーに特化している!?
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/unenatsuki/00354966/title-1687508130988.jpeg?exp=10800)
現在のナ・リーグ本塁打トップ5に、打率.255以上の選手はいない(6月22日時点)。18本以上のホームランを打っている5人のなかで、ホルヘ・ソレーア(マイアミ・マーリンズ)の打率.252が最も高く、あとの4人の打率は.230に満たない。マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)の打率は.230だが、厳密には.2296…だ。
ア・リーグと比べると、その違いは際立つ。こちらは、17本塁打以上の5人中4人が打率.260以上。過半数の3人は、打率.275を超えている。
![筆者作成](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/unenatsuki/00354966/image-1687508334382.png?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
リーグが理由ではない。ナ・リーグの平均打率は.250、ア・リーグは.245だ。むしろ、ナ・リーグのほうが高い。
19世紀と20世紀については調べていないが、今世紀に入ってから、本塁打トップ5にランクインした選手の過半数が打率.260未満だったシーズンは、ナ・リーグにもア・リーグにも見当たらなかった。
例えば、2017年のア・リーグは、4人が打率.260未満ながら、5位タイに4人が並んだので、トップ5の人数は8人だ。8人中4人は、半数であって過半数ではない。また、そのなかで打率.230未満は、ジョーイ・ギャロ(当時テキサス・レンジャーズ/現ミネソタ・ツインズ)だけ。この年のギャロは、リーグ3位の41本塁打と、規定打席以上の78人中、ワースト4位(75位)の打率.209を記録した。
今シーズンは、まだ折り返し地点に達していないものの、ナ・リーグでは、かなり打率の低い本塁打王が誕生するかもしれない。
ナ・リーグとア・リーグの球史において、最も打率の低い本塁打王は、1982年にナ・リーグ最多の37本塁打を記録したデーブ・キングマンだ。打率は.204。ナ・リーグで規定打席以上の65人中、最も低かった。ホームランは2位と1本差だが、打率はワースト2位と35ポイントも離れている(.001=1ポイントとして表記)。
打率.230未満の本塁打王は、見落としがなければ、1982年のキングマン以外に3人だ。2009年に39本塁打(ア・リーグ1位タイ)のカルロス・ペーニャが打率.227、2016年に41本塁打(ナ・リーグ1位タイ)のクリス・カーターが打率.222、2022年に46本塁打(ナ・リーグ1位)のカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は打率.218だった。今シーズン、シュワーバーは、ナ・リーグのトップと3本差の4位に位置している。
もっとも、シュワーバーをはじめ、現時点のナ・リーグ本塁打トップ5にいる選手は、パワーがあるだけではない。彼らの四球率は、いずれも10%を超えている。一方、ア・リーグの5人中2人は、四球率7.5%未満だ。ラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)が7.4%で、ルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)は5.3%に過ぎない。