【オートバイのあれこれ】ホンダ多気筒戦略のシンボル!RC174
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日は「ホンダ多気筒戦略のシンボル!RC174」をテーマにお話ししようと思います。
1959年(昭和34年)のマン島TTレース出場を皮切りに、WGP(ロードレース世界選手権)へ本格的に参戦し始めたホンダ。
’60年代のWGPにおけるホンダの大活躍は、モータースポーツが好きな人ならよくご存知のことでしょう。
その栄光の時代を支えたホンダのマシンのひとつが、『RC174』です。
RC174の見どころは、並列6気筒エンジンを搭載していたこと。
ホンダは当時、4ストロークエンジンでライバルの2ストマシンへ対抗するため、回転数を上げやすい多気筒化戦略を取りました。
125ccで5気筒の『RC148』、ミニマムの50ccマシンでさえ2気筒の『RC116』を作るなどしていたのです。
そしてRC174も、その戦略のうちの1台になります。
RC174は350ccクラス用のマシンだったわけですが、ホンダはあえて排気量を「目一杯」にはせず、297ccに抑制。
その狙いは、各シリンダー内における燃焼(爆発)をなるべく小さくして振動を軽減することでした。
振動を限りなく抑える(=エンジンから発生する余計な負荷を小さくする)ことによってエンジンを支えるパーツもできるだけ軽く・薄く仕上げ、最終的に車体全体のコンパクト化を目指したのです。
このホンダの策は功を奏し、RC174は排気量縮小によるパワーロスを補って余りある軽快な運動性を獲得。
’67年のWGPでは、イギリス人ライダーのマイク・ヘイルウッド氏が駆ったRC174が全8戦中6勝をマークし、RC174は見事この年の350ccクラス王者マシンとなったのでした。
画像引用元:本田技研工業