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韓国でバズった「急に消えたK-POPトレンド」まとめ アルバム収録曲数・サビ・清純派…確かにそうかも

筆者作成 生成AIによる

日々YouTubeを閲覧していると「ランキングもの」のショート動画を目にすることがある。どれも1分以内にまとまっており、「感動した冷凍食品」だとか「めちゃくちゃコスパが良かったグッズ」など「おっ、これは分かりやすい」「世の中はそんな風になっているんだ」と感嘆するものに出合うこともあるのでは。

韓国での状況も似たもので、時折「おっ、これいいね」という内容があり、良いものだと一般のブロガーや韓国では盛んな「ネット掲示板」で拡散されることもある。

韓国で16.6万人のフォロワーを誇るK-POP情報掲載チャンネル「HAN-KKI Music」がアップしたショート動画は455万アクセスを記録、9万いいねの高評価を得た。

「急に消えたK-POPトレンド」

ああ、そういえばそうかもな、という点を絶妙に突き、代弁してくれている“爽快感”と「韓国内ではこうなっているんだ」という気づきを同時に与えてくれる。

急に消えたトレンド1:「正規アルバム」 カムバックの周期や制作費の問題などにより激減。
NewJeans 2年目 正規0、ミニ2
Aespa 3年目 正規0、ミニ4
Itzy 4年目 正規1、ミニ8
(G)I-DLE 5年目 正規1、ミニ6

「正規(チョンギュ)アルバム」とは、およそ8曲以上が収録されたアルバムのことを指す。それ以下は「ミニアルバム」「デジタルシングル」「シングルアルバム」などと分類される。

従来、K-POPでは「●作目の正規アルバム」「●作目のミニアルバム」といった分類がはっきりとされていた。何なのかと言うと「じっくり準備して作りました」「少し早いサイクルで作りました」といった違いが明確だったのだ。アーティスト側としては「正規アルバムを事務所から出してもらえるのは嬉しい」という思いもあるようで2010年代中盤などには「デビューから3年目で、ついに初めての正規アルバムなので嬉しいです」といったコメントも幾度か聞いたことがある。

ただ、韓国の事務所側としても8曲以上を集めるのはなかなか大変なようで、マネージャーが「どの曲を入れるかの会議はあまり好きじゃない」とぼやいているのを聞いたこともある。複数作曲家に声をかけ、依頼をしたり、未発表曲を聞いていき、楽曲が選定される。いっぽう曲数の少ないミニアルバムは「短ければ2週間で完成」ということもあるそうだ。

急に消えたトレンド2:3分以上の曲 短くてインパクトのある曲がトレンド。
NewJeans「Get up」 アルバム全曲
ENHYPEN「Sweet Venom」 2:28
IVE 「Baddie」 2:35
LE SSERAFIM「Perfect Night」 2:39
AKMU 「Love Lee」 2:59

確かに最近、別の原稿で1999年発表のこの楽曲について書くことがあり驚いた。楽曲の長さが3分40秒はまだしも、前奏が34秒。長い。

2010年代中盤には「テレビ番組向けに歌詞の2番の一部をカット」ということもあった。テレビ番組出演を考えても短いほうがより扱ってもらいやすい、という面はあるか。

急に消えたトレンド3:メンバー別のポジション メイン/サブ/センターなどの概念が消えていっている。
男女グループ関係なく、特に第4世代のグループはファンの便宜上推測されるパートがあるだけ。公式的なポジションは定められていない。

かつてのK-POPは人数やコンセプト、パートを明確に定めて、そのイメージに合うメンバーを選抜していく傾向があった。例えば「歌が上手くても、グループで3番手くらいならラップ担当へ」という風に、グループのなかでの役割は明確なものだった。あるK-POP事務所関係者はダンサーには「一曲約3分間のうち、ソロパートの数十秒に全力を見せろ」と声をかける、という話も聞いたことがある。それほどに厳格だったパート分けがなくなっていくということだろうか。

急に消えたトレンド4:サビ部分の高音パート 叫ぶ高音パートより曲名繰り返し。
Cake Cake Cake Cake
Drama Drama Drama
Queencard Queencard Queencard
Baddie Baddie Baddie

このチャンネルではあえて曲名・アーティスト名は明らかにせずサビ部分だけを記している。事情にお詳しいファンの皆様は、誰の何という曲かお分かりではないか。

急に消えたトレンド5:青春コンセプト 2019年度頃から少しずつ消えていったコンセプト。
ガールズクラッシュ、Hipでカッコいいコンセプトに押され、爽やか、青春、夢幻など全てが消えてしまった。現在残っているのはOH MY GIRL,fromis_9程度。

「女性ファンに認められなければビジネスにならない」。これはK-POP業界では以前から言われていることだ。世界で有数のK-POP消費国である日本市場の傾向を見ても明らかで、複数のK-POPメディアから「読者の8割~9割が女性」「広告も女性向けで完結」という話を聞いたことがある。

そういった状況のなか、逆に最近よく目にするのが「かわいいコンセプトを求めてさまよう日本のおじさんファン」。この「HAN-KKImusic」に逆にお伝えしたいのが「日本ではCSR(チョッサラン)の人気がとんでもなくスゴいよ」ということだ。2022年に韓国でデビューした清純派の7人グループだ。新大久保のK-POPバーあたりでは頻出単語だ。

急に消えたトレンド6:韓国語の歌詞 海外のファンが大きくなるにつれ消えていく韓国語。
最近のトレンドは韓国語30%・英語70%。サビ部分は大部分が英語の記事。歌詞全てが英語の楽曲もあるほど

2023年下半期に取材した複数K-POP関係者によると、K-POP界の現在の大きな流れ(野望)が「音楽ジャンルのひとつとしてK-POPを確立する」というものだ。例えば「ラテン音楽」のように。このジャンルさえ確立すれば「誰が何語でやってもK-POP」という流れを作ろうとしている。すると英語の歌が増えてくることも自然な流れとなるか。

(了)

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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