最近のサイクル安打は「その試合に過去の達成者が出場している」ことが多い!?
7月16日、ジェイク・クローネンワース(サンディエゴ・パドレス)は、二塁打、三塁打、ホームランを打った後、内野安打を記録した。今シーズンのサイクル安打は、6月30日のトレイ・ターナー(ワシントン・ナショナルズ)に続く2人目。どちらも、球場はワシントンD.C.のナショナルズ・パークだ。クローネンワースが達成した試合にも、ターナーは出場していた。
6回表にクローネンワースが打ったボールは、三遊間へ転がり、少し二塁寄りに守っていたアルシデス・エスコバーが拾ったものの、送球するには遅すぎた。この回、エスコバーは二塁から遊撃へ移った。前のイニングまで、ナショナルズの遊撃はターナーが守っていた。この交代がなかった場合、内野安打になっていたかどうかはわからない。
それはさておき、2017年以降に達成された20度のサイクル安打のうち、70.0%の14度は、その試合に過去の達成者が出場していた。例えば、クローネンワースの試合は、ターナーとウィル・マイヤーズ(パドレス)の2人がそうだ。
この割合の理由は、よくわからない(関連性もないと思われる)。また、2018年9月17日のクリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)と2021年6月30日のターナーの場合、同じ試合に出場した過去の達成者は自分自身だ。他にはいない。この2度を除くと、割合は60.0%(12/20)に下がる。
ただ、20度のサイクル安打を球場ごとに分けると、コロラドのクアーズ・フィールドが4度、ナショナルズ・パークが3度、ボルティモアのカムデンヤーズが2度、他は1度ずつだ。試合に出場していた過去の達成者は、クアーズ・フィールドでサイクル安打を達成した選手が圧倒的に多く、約半数を占める。
なお、ここ20度の選手は、ターナーが3度、イェリッチは2度だ。「1年おきに「サイクル安打」を3度達成。この法則(?)が続けば、再来年に最多記録を塗り替える」で書いたとおり、ターナーは3度目のサイクル安打により、ナ・リーグとア・リーグの球史における最多記録に並んだ。
一方、マイアミ・マーリンズの選手がサイクル安打を達成したことは、1993~2011年のフロリダ・マーリンズ時代を含め、これまでに一度もない。