コービーから受け取ったメッセージ「伝説の男になれ」を胸に王者を目指す背番号1
フィニックス・サンズの背番号1、デビン・ブッカーがNBAファイナル第2戦でもチームハイとなる31得点を挙げ、118-108の勝利に貢献した。サンズはこれで2勝0敗。チャンピオンリング獲得に向け、大きく歩を進めた。
ブッカーは、ロスアンジェルス・クリッパーズとの西地区ファイナル第2戦において、パトリック・べバリーのヘッドバッドを浴びて鼻を負傷。この日も、対戦相手の腕が鼻に当った際には、苦痛に顔を歪めた。
それでも、躍動感のあるドライブを何度も見せる。44分5秒のプレーで25本のシュートを放ち、成功が12本。3ポイントは12本中7本がネットを揺らした。
一方、東地区ファイナル第4戦で左ひざを負傷したミルウォーキー・バックスのエース、ヤニス・アデトクンボもケガを押してプレーし、42得点12リバウンドと存在感を見せ付ける。
とはいえ、20得点以上がアデトクンボ1人のバックスに対し、サンズは3名。ティップオフから2Qの5分過ぎまではバックスがリズムを掴んだが、追いつかれ終盤に向かうに連れ、サンズが総合力の違いを見せた。
攻守にわたってコートを走るデビン・ブッカーの、貢献度が光る。鼻のケガが完治していないとはいえ、自身の価値を高めている。元NBA選手の父を持つブッカーは、幼少期よりバスケットボールを片手に育った。2015年にドラフト1巡目13位でコールされてサンズ入り。
物心がついた頃からブッカーのアイドルは、コービー・ブライアントであった。生前、ブライアントはブッカーの将来性に期待し「Be Legendary(伝説の男になれ)」という言葉を贈った。コービーが2020年1月26日にヘリコプター墜落事故で永眠した後、ブッカーは、その一言を噛み締め、TATTOOとして体に刻み、さらにはシューズにもその言葉を記してコートに立っている。
ブッカーは語る。
「『自分の仕事を成し遂げろ』というコービーの言葉の意味が、今、良く分かる。その為に、チームの一員として出来ることをやっているんだ。ボールを奪うこと、闘争心、そして局面での勝負、コービーの影響を大きく受けているよ」
24歳のブッカーは、かつてのNBAナンバーワンだった男に、一歩一歩近付いている。サンズのシューティングガードは、どんな伝説を築くか。