KARA知英が振り返る2024年<前編> 韓国番組で「ありのまんまを撮りました」
幼き日のカン・ジヨン(知英)は、日本のことは「何も知らなかった」し、「あまり関心もなかった」のだという。
1994年生まれ。ソウル郊外の坡州(パジュ)で育った。
KARA知英が振り返る2024年<後編> 日本公演を「私の中でずっと残っていく時間」という理由
「日本って言っても…海があって、その向こうに島の国があるんだな…というくらいで。子どもの頃ってみんなそうだったと思うんですよね」
韓国でも「クレヨンしんちゃん」などのアニメは有名だったが、韓国語の吹替版を見ていたとあっては、それが日本のものだともよくわかっていなかった。
しかし、中学校1年の頃、そのイメージに色がついた。
やはりアニメからだった。
「姉が見ていたアニメ『NANA』を一緒に見て、一気に憧れに変わったんですよ。このときは作品が日本のものだと聞いて。中島美嘉さんが映画に出演した作品のアニメバージョンですね」
その後の08年、14歳にしてKARAのメンバーとして韓国デビュー。日本との縁は、2010年、16歳になる頃に始まった。
「当時は今のように『スマホを通じて10代の頃から日本の情報を知っている』という時代ではなかったんですよ。初めて行った外国が日本の沖縄で、その後東京に行って…わぁこんな世界があるんだって」
2024年、彼女は再びKARAのメンバーとして日本の地を踏んだ。8月に東京と大阪でのコンサートツアーがあったのだ。さらに11月には日本の事務所「Sweet Power」と再度契約を結び、日韓両国での活動のベースを築いた。
それはどういう1年だったのか。韓国と日本、両国での日々を振り返ってもらった。12月下旬に都内で行われたインタビュー前編を。
正月は家族と一緒に… かつては「日本の正月」に驚いたことも!
まずはちょうど1年前の話から。
2023年から2024年に変わるその時、いったい何をしていました? そう聞くと彼女は「えーっと」と言いながら、自らスマホの写真を振り返ってくれた。
「うーん、なんか普通に12月31日は家族と一緒に明洞行って『明洞餃子』っていうカルグクスがおいしいところに行って食べて。親と一緒に。次の日もちょっと実家に行ってご飯食べて…普通です」
家族と一緒の時間。しあわせな時間。一方で韓国の「お正月お休みモード」は1月1日で終わり、2日からは普通に出勤、というところも多い。知英はかつて日本の年越し・正月を経験したこともあり、韓国との違いに驚いたこともあるという。
「カウントダウンするのは一緒なんですけど、年越し前になんかこう、 なんでしたっけ? そうめんとか食べて? うどんでしたっけ?」
そばです。
「そかそか。そば食べたりするのも、初めて見た時は、こういう文化もあるんだってびっくりしましたね」
誕生日は「お寺で」 誰と?
1月18日には誕生日を迎えた。1994年生まれ。「30歳です。もともとの韓国の数え方(数えどし)では31歳になりました」。
一つ年齢を重ねた。新たな10年の始まりでもある。それはどんな心情だったのか。
「なにか、うん、30歳になったら違うのかなと思ったら、何も変わらないっていう。 でも、やっぱりこう、前の数字が変わる(20代だったのが30代になる)から、ちょっと これからしっかりしないとな、とは思います」
「30代になりましたけど、ファンの皆さんがぬいぐるみとか、可愛いものを結構プレゼントしてくださるんですよ。30代になっても変わらずこういうの好きです」
では、当日はどうお過ごしに?
「18日は、甥っ子と一緒にご飯食べたり、 あとはお寺に行きましたね。ソウルの江南にある奉恩寺(ポウンサ)というお寺です。誕生日だからといって、特別なことをして過ごすというより、静かに過ごしました。前の週に、友達に会って、ちょっと祝ってもらったりはしたんですけど。当日はお寺に行って、ちょっとご飯を食べて、っていうくらいでしたね」
南国で撮影 涙あり笑いありのドキュメンタリー番組が話題に
3月に入ると、韓国メディアでKARAとしての活動が盛んに報じられた。13日に最初の先行公開映像が公開されたドキュメンタリー番組「WISH I HAVE KARA」に関するものだ。番組公式説明はこう記されている。
「その頃、私たちが愛したアイドル、韓国を代表するガールグループKARAのデビュー15周年を記念した初めての旅行リアリティー・バラエティ番組。パク・ギュリ、ハン・スンヨン、ニコル、カン・ジヨン、ホ・ヨンジの5人のメンバーが、青い海が美しいコタキナバルを舞台に甘い休息を楽しみながら、これまで語ることのできなかった本音のストーリーで感動を届ける」
- 日本ではKNTVで8月に放送された
3月27日から4月17日までの間、計8回で韓国のサブスクコンテンツプラットフォーム「Wavve」の独自コンテンツとして放映された同番組。最終回ではク・ハラさんを偲び、メンバーが涙を流した。この姿もまた韓国メディアも大きく報じるところとなった。
オンエアの度に韓国メディアでも話題に。たびたびこういった“修飾語”で伝えられた。
「笑いと涙にあふれたストーリー」
メンバーのありのままの姿を映し出す。そんな狙いがあるコンテンツだったという。知英はこう振り返った。
「(KARAのメンバーと)旅行という形での撮影は初めてだったので、結構楽しかったですね。本当にありのまんまを撮りたい、というコンセプトだったので、部屋の中にカメラがあったりしました、何も計画せずに、うん、 なんか好きでやろうみたいなということで。自由に本当に旅行している感じで撮影したんですよ」
番組のなかでは、リゾートを楽しむシーンでマレーシアの海に落ちるシーンもあった。この時、実はメンバーを“苦しめた”ことがあったという。
「結構クラゲに刺されました…。番組には出ていない部分ですけど。海のレジャーのシーンでバンって海に落ちるシーンがあったんですけど、そこでみんなクラゲに刺されていました…」
日本でのコンサートツアーが発表に
4月、再び日本の地を踏むことが発表になった。9日にKARAとしては9年ぶりの日本でのコンサートツアーが発表になった。
「夢みたいでしたね。コンサートができるなんて。本当に。 メンバーも私も『すごいことが起きてるな』って。緊張感もありましたけど、それよりもファンの皆さんが喜んでくださったのも、見ていて嬉しかったです。なんだろう。お互い嬉しいっていうか」
続く5月にはインスタで海を訪れている写真が話題に。
「フィリピンですね。4月にスンヨンさんとヨンジと3人で旅行で行ったんですよ。スキューバダイビングの資格を取りに行きました。スキューバダイビングとフリーダイビングを楽しんできました」
今年上半期は2度、仕事とプライベートで南国の海を訪れていた!
後半に続く
筆者注:インタビューは12月20日に東京都内で進行したものです。12月29日の韓国での旅客機事故で犠牲になられた方々、ご遺族に心からの哀悼の意を表すとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りします。