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オランダ1部でプレーの韓国人選手 「金正恩」が現地チャント歌詞に 本人のリアクションは?

ファン・インボム(フェイエノールト)/写真は2024-25CL出場時(写真:ロイター/アフロ)

ファン・インボムは俺たちの韓国人

誰も彼に勝てない

金正恩でさえ何もできない

ファン・インボムはフェイエノールトのチャンピオン――

フェイエノールトの韓国代表ミッドフィールダー、ファン・インボムの活躍を称える応援歌が、オランダと韓国で話題を呼んでいる。もちろん、その歌詞に北朝鮮の金正恩総書記が登場するからだ。

「『金正恩でさえ彼には勝てない』...この応援歌の主人公ファン・インボム、4連勝の立役者に」(朝鮮日報)

「『衝撃の実話』ファン・インボムの応援歌に北朝鮮の金正恩が登場...」(スポーツ朝鮮)

1996年生まれのファン・インボムはスキルフルな技術を持ち味とするセントラルMF。韓国代表として2022年カタールW杯に出場歴がある。クラブレベルでは2015年に自国の大田シティズンでデビュー後、兵役期間を経て2019年~20年にバンクーバー(カナダ)、20年~22年にルビン・カザン(ロシア)でプレー。2022年にレンタルでFCソウルに戻った後、同年からオリンピアコス(ギリシャ)、ツルベナ・ズベズダ(セルビア)を経て、2024-25シーズンからフェイエノールトに加入した。

当初は5大リーグ移籍を切望していたとされるファン。オランダの地でフィットし、力を発揮し始めている。

12月8日、アウエーでエールディビジ第15節でRKCヴァールバイク戦で決勝ゴールをアシストし、チームの3-2逆転勝利に貢献。この試合でも、パス成功率94%、チャンス創出3回、ビッグチャンス生成2回、リカバリー8回など、攻守両面で圧巻のパフォーマンスを披露。サッカー統計メディア「FotMob」からは評点8.3点という高評価を得た。

  • 試合の模様

この活躍もあってか、この日の記者会見で独特な応援歌が話題になった。当の本人はこう語っている。

「最初に聞いたときは自分の応援歌とは気付かなかったし、意味も理解できなかった。しかし、その意味の説明を聞いて誇らしく思った。自分だけの応援歌を持つことができて光栄だ」

さらにファン・インボムは個人の成功よりもチームの発展を重視する姿勢を示し、「ロッカールームで話し合い、強さが足りないと感じた。勝利したが、これからも勝ち続けるためには改善すべき点がある。そのために練習しなければならない」と語った。

この応援歌に対して、韓国のファンたちからは

「レーニンボムらしい応援歌だ」

「貶めるニュアンスではなくて良い」

「とても面白い」

「革命的にサッカーをするだけに」

概ね好意的な反応が寄せられている。ピッチでの活躍が、オランダで独自の応援文化として花開いた形だ。

ファン・インボムは今シーズンここまで24試合に出場し2ゴール7アシストを記録。チームは10勝5分1敗(勝点35点)で4位につけている。「金正恩」の歌が話題となったヴァルバーイク戦後、チームはCLスパルタ・プラハ戦に勝利するなど2連勝。日本時間きょう(12月22日)22時30分に勝ち点7差で首位を走るPSVとアウエーで激突する。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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