「完全にアウトだった」 韓国地上波解説者が日本-スペイン戦で 有力紙は「紙一枚の差が日本を救った」
カタールW杯での日本―スペイン戦の結果に韓国も騒然。筆者のもとには本当に真摯なお祝いのメッセージが届いている。
「森保監督の戦略は結果的に成功しましたね」
「トーナメントも頑張ってほしいです」
はたまた「今大会で韓日の差が開く」との心配な声も。
いっぽう、試合直後からのメディア報道では「朝鮮日報」のものが目を引いた。
日本の後半6分の逆転ゴールの際、左サイドから折り返した三笘薫のプレーを巡ってだ。
ボールがラインを出たのか、出ていないのか。
これについてちょっとした"過激発言”があった。
イ・スンウ。かつてバルセロナの下部組織で育ち、イタリア(ヘラス・ベローナ)時代にはロシアW杯代表にサプライズ的に選出された。しかしその後はベルギー(シントトロイデン)などでもプレーしたが振るわず。2022年から国内の水原FC(Kリーグ1)に所属し、今季は34試合出場で14ゴールと結果を残している。
国内では年代別代表の時代から非常に知名度の高い存在で、試合後の取材エリアでは自信満々の発言が好評を得てきた。またロシアW杯ではチームの末っ子としてかわいがられたことでも知られる。
そこで今回は地上波SBSが解説者として白羽の矢を立てた。
彼が未明の日本―スペイン戦での"あのシーン"で、言い切ったのだ。
「出ました。ゴールラインからアウトのように見えます」
「僕が観る限り、アウトでした」
これについて有力紙「朝鮮日報」は「イ・スンウ『僕が観る限りアウトだったんですが』…日本を救った『紙一枚の差』逆転ゴール」と見出しを打って報じた。
同紙は合わせて韓国他局の解説者の"その瞬間"のコメントを紹介している。
安貞桓(MBC)
「我々はその微細な違いを見分けられません」
「ボールは丸いので(ボールの)下の部分も超えているように見えましたが、端がラインに掛かっているようにも見えました」
ソ・ヒョンウク(MBC/記者出身の解説者)
「スペインの選手たちはボールがラインを超えたと考え、積極的にプレーしようとしませんでした。これが敗因だったと見ます」
キム・ソンジュキャスター(MBC)
「ある意味、スペインの選手の立場としてはフラストレーションの溜まるものでしょう」
あらら…監督といえば「W杯スペイン戦でのタッチライン際のボールのIN/OUT」で20年前に「だいぶいい思い」をしたのでは?
いずれにせよ、こういった日本の活躍は韓国にとってプレッシャーでもある。日本よりも元々アジアサッカーへの関心度が高い韓国にあって、今回のH組への振り分けはちょっとした「苦しみ」にもなっている。とにかくイラン、オーストラリア、日本といった他の国々の結果をすごく気にかけている。グループリーグの各巡でH組は最後に登場するため、先に登場した国々の戦いぶりによる心理的影響をモロに受けて戦うことになったのだ。
年々、日本という国への関心度が相対的に下がってきている韓国ではあるが、そういったなかでも、日本に関連することのなかっでサッカーへの関心は高い(ちなみに圧倒的なトップは女子たちの『K-POP推しグループの日本公演関連情報』)。
今年4月、カタールW杯の組分けが決まった際に「日本、死の組へ」というYouTube動画が300万回再生を記録した。その月の日本関連動画の最多再生回数となったのだ。内容は何なのかというと「抽選会の中継を見た韓国解説者が日本の組分けを見て爆笑」だった。
ワールドカップ組分け 韓国で「日本を笑う動画」が300万回再生 じつは”危険”なのはそっちだ
しかしだ、いま日本は先に勝ち上がり、韓国に対してこういう状況を作った。
「先に勝ち上がったことで、あちらを死の組にした」
最後に登場するH組こそが「死の組」だったのだ。じわじわっとあちらの苦しみを足している感じだ。
日本時間の今夜0時から行われるH組最終節韓国―ポルトガル戦までの時間、ということだが。ここまで1分1敗、総得点2失点3の韓国はポルトガルに勝った上で他会場の結果次第で突破を決められる状況だ。
韓国は今夜の戦いで勝ち上がれば、準々決勝で日本と対戦する可能性もある(先にそう言えるのもまたよし)。