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【河内長野市】旧国道・高野街道沿いに、ぽつんとある清水井とは?旧清水村、空海との関係も調べてみた

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

私は公共交通派ということもあり、できるだけ歩いて回りますが、やみくもに歩くのではなく、ある程度の目的を持って歩くことが多いです。SNSも有力な情報源ですね。

しかし、SNS以外にもいろんなものを情報源にして確かめます。例えば南海天見駅の切符売り場の横に置いてあった地域の小冊子も有力な情報源です。

こちら、天見地域まちづくり協議会(外部リンク)が作った冊子「AMAMI MAP」です。

番号が振られた小さなスポットを回れるようになっていて、スポットごとに簡単な説明がついています。

いろいろなスポットに回りましたが、今回はこちらの「清水井(清水井戸)」という場所が気になりました。調べると河内長野市清水という地名の元になったという井戸とのこと。

清水は江戸時代に清水村があり、1889(明治22)年に周辺の3つの村と合併して天見村となり、その後、今から70年前の1954(昭和29)年に河内長野市となります。

清水井のある場所は、南海千早口駅と美加の台駅の間の国道371号線です。石仏バイパスと平行している旧国道沿いなので車の往来は少なく、歩きやすいです。

画像真ん中あたりにくぼんでいる場所がありますが、あそこが清水井のある場所です。車では見落としそうなところにぽつんとあります。

こちらです。清水井戸と書いてある石碑とその隣にマンホールのふたがあります。

目の前に来ました。マンホールのふたを見ると下水につながっているような気がしますが、AMAMI MAPではマンホールのふたを開けている写真がありましたので、ここで間違いないです。

AMAMI MAPでの説明を引用しましょう。

一説によると弘法大使が加持水として、近住の信者はもとより、諸国の旅人もこの井戸水をいただいた。現在は国道371号線の側壁に形を残す。

記述内の「大使」は、「大師」と思われます。また仏がその力で生き物を加護することを加持といい、空海が疫病で苦しむ人に水を与えて全治させた霊験あらたかな水を加持水といいます。

また河内長野ロータリークラブの「学びの高野街道」(外部リンク)には次の記述がありました。こちらも引用します。

清水村の地名の由来は、高野街道沿い湧き出ていた「清水井」があることから起こり、 現在は旧国道371号の側壁に残すのみである。別名「二つ井戸」ともいわれていた。 弘法大師(空海)御加持の水とされ、近在の人達をはじめ、旅人を潤した。

このように旧清水村の名前の由来についての記載もありました。

井戸を蓋しているマンホールを拡大しました。

今この井戸の水を使っている人は恐らくいないような気がしますが、地名の由来につながる大切なものということでこのように残されているのでしょう。

こういう場所を「弘法清水」と呼ぶそうで、全国各地に同様の伝承があるそうです。伝承だけでなく、マンホールのふたをしてまで井戸を残しているのは、とても興味深いと思いました。

清水井

住所:大阪府河内長野市清水

アクセス:南海千早口駅から徒歩6分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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