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戦争と争いの心理学:認知、感情、信念:夫婦げんかから国際問題まで、なぜ争いは悪化するのか

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
ロシアの侵攻でハンガリーに逃げ込むウクライナ人を見張るハンガリー軍(2/25)(写真:ロイター/アフロ)

■ロシア軍、ウクライナに侵攻

恐れていたことが現実になりました。戦争は、高度に政治的な問題ですが、その背景にはやはり一人ひとりの心の問題があるでしょう。

■争いに関する感情と信念

戦争でも、もっと小さな集団同士の争いでも、また夫婦げんかのような個人間の争いでも、共通する人の心があります。

・恐怖

・怒り

・不安

・憎しみ

・恥

・集団との一体感(挙国一致、同じ立場の友人同士の仲間意識など)

・内集団びいき(内集団の優越性に関する認知:我が国の方が上、男は偉いなど)

・争いは避けらない(戦争は不可避)との信念

人と人、集団と集団、国家と国家。それらの間で思うようにいかない葛藤が生じると、人の心には様々な不快な感情が生まれます。

感情によって争いは激しくもなりますし、また争いを止める可能性も生まれるでしょう。

しかし多くの場合は、恐怖と怒りは、相手に対する軽蔑と敵意につながり、感情の暴走を止めなければ、悲劇が生まれるのです。

■争いと感情

感情によって、人びとは何を考えるかだけでなく、どのように考えるかも変わってきます。感情によって人の判断は変わるのです。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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