差が開く一方の菅総理と文大統領の支持率
似て非なる日韓首脳だが、支持率の低迷では相通じるところがあるようだ。
(「安倍首相辞任」でどうなる日韓関係? 次の首相と信頼関係を築けるか?)
菅義偉首相は昨年9月の政権発足時の世論調査では最高で74%(読売新聞)、最低でも64%(毎日新聞)の支持率があった。文在寅大統領もまた就任1周年の2018年4月には83%もあった。現状はどうか?
菅政権の支持率は毎日新聞と社会調査研究センターが8月28日に行った世論調査では26%、毎日新聞よりも1週間前のANNの世論調査(8月21-22日)では25.8%と、26%を割っていた。いずれも前回調査から4~3.8ポイント下落していた。
一方、ANNと同じ日に行った産経経新聞社とFNNの合同世論調査では菅政権の支持率は32.1%あった。それでも前回よりも7ポイントも近く下降していた。
文在寅政権の支持率は世論調査会社「リアルメータ」が8月17―20日に行った調査では41.1%、「韓国ギャラップ」が8月24-26日に実施した調査では38%となっている。文政権も前回よりもそれぞれ0.4%、2.0%支持率を落としているが、下落率は菅政権よりも小幅だ。
菅政権と文政権の支持率を比較すると、文政権は菅政権よりも10ポイント上回っているが、今年4月末までは菅政権が44.0%と、29.0%の文政権を圧倒していた。しかし、5月に入って、逆転(菅政権32.2%対文政権33.9%)を許し、現在ではその差が開きつつある。
(参考資料:菅総理と文大統領の支持率比較:逆転、また逆転の「低支持率競争」)
文大統領の支持率の推移をみると、5月に30%台を回復し、5月第4週には39.3%まで上昇。以降6月は平均38~39%台をキープしていたが、7月に一昨年10月以来となる40%に回復し、7月12日―16日にかけて行った調査では45.5%まで跳ね上がっていた。
一方、菅政権の支持率は7月16日に時事通信社が発表した世論調査結果では前月比3.8ポイント減の29.3%、NHKの世論調査(7月12日)でも前回より4ポイント下がって33.0%となっていた。上昇傾向の文大統領とは対照的に下降を辿っていた。
韓国の大統領の場合、支持率が40%を割れば「黄色信号」が、30%前半にまで落ち込めば「赤信号」が灯り、20%台で「死に体」(レイムダック)となるが、文大統領はレイムダックに入る直前で下げ止まった。歴代大統領の中で任期最後の年に40台を記録した大統領は一人もいない。ほぼ全員が20%前後で終わっていることを考えると、文大統領は善戦、健闘している部類に入る。
但し、政権政党の支持率では逆の結果が出ている。
毎日新聞の世論調査では政権与党・自民党の26%に対して野党第1党の立憲民主党は10%、FNNと産経の調査では自民党の33.5%に対して立憲民主党は6.6%と、自民党が大きく引き離している。
これに対して文政権の与党「共に民主党」の支持率は最大野党の「国民の力」と拮抗しているか、下回っている。
「韓国ギャラップ」の調査では与党「共に民主党」と最大野党の「国民の力」の支持率は31%対30%と拮抗しており、「リアルメータ―」の調査では「共に民主党」の32.8%に対して「国民の力」は37.1%と、4,3ポイントもリードしている。