【英会話】日本人はニュータイプなんだよ って冗談いったら嬉しそう。日本語のいいところとは?
20年ほど仕事で英語を話していますが、英語を話すことで日本語のいいところ、英語のいいところに気づかされることがよくあります。
そんな私の英語体験を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は読むと日本語にもうひとつスキルをつけ加えられる得なエッセイです。
暑いですか?
東京はようやく今日(9/23)あたりから過ごしやすい気候になってきましたが、9月になってもまだまだ暑い日が続きました。そんな暑さが続く9月上旬に、あるNative English Speakerと一緒にItalian restaurantに行ったんです。ちょっと大きな仕事が一段落したんで、暑気払いを兼ねての打ち上げ。そこで、こんなやりとりがありました。
店に入ったんですが、まだ早い時間のせいか、お客さんは誰もいなくて店員さんが飛んできてくれました。で、いらっしゃいませ のあとに、
「暑いですか?」
って聞かれたんで、
「暑いです」
「じゃあ、そこのテーブルが涼しいですから、どうぞ使ってください」
といういたって普通のやりとりをする。さすが、日本のホスピタリティ、気が利いてます。
で、席について落ちつたところで、一緒に来たNative English SpeakerのMathewがこう言ってきた。
「徳さん、いったいなんでわかったの?」
ですって。
わかるも何も、わからないところがなくないですか? ここまでのやりとりって。
怪訝な顔をしてると、Mathewが続けて、
「だって、なんで、あなたは暑く感じていますか? って意味にとれたのさ? 外は暑いですか? という意味にもなるでしょ?」
という。Mathew、少し日本語が話せるんです。それに、もっと上手くなりたいらしい。
「いや、それは」
わたしは一瞬考えたんですが、ちょっと揶揄(からかい)いたくなった。あんまり暑いんでこういうお遊びで気晴らしです。
「日本人はニュータイプ(from ガンダム)だからだよ」
「ああ、それかぁ。ぼくも頑張ってシャアみたいにならないと。この前も、徳さんがおれの欲しいファイルを持ってきてくれてびっくりしたんだよ」
「だろ? 相手の意図が読めるのさ」
「Oh! Fantastic!」
冗談とわかってるのかわかってないのか、Mathewは楽し気にうなずいてくれました。
もちろん、日本人がニュータイプというのは冗談ですが(いや、冗談でないかも)、われわれNative Japanese Speakerが相手の意図を想像する癖があって、それに乗っかって日本語を使っているのは間違いないようです。その分、コミュニケーションがスムーズで阿吽の呼吸も可能になる。親しくなりやすいんですね。日本語のすごくいいところだと思います。
でも、一方で、ビジネスシーンなどの精確さを求められる場面では、具合が悪いときもある。お互いに了解してると思っていても、まるで違う話になる可能性があります。
そういう時にいいのは、英語で言いたいことをちょっと考えてから、日本語にしてみること。意外に自分の日本語に隙があることに気づく。
さっきの会話だって、英語にしたら誤解の余地がない。
「暑いですか?」は、
Are you feeling hot? かIs it hot outside?
に分かれますし、
「暑いです」は、
I'm feeling hot now. かIt's hot outside.
になって、はっきりする。
誤解の余地なくきちんと伝えなければならないとき、ちょっと英語で考えてみる癖、便利ですよ。日本語本来の親しくなりやすいというスキルに加えて、精確さというスキルも手に入れることができます。
これも、英会話の効用の一つです。試してみてください。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。
お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
イラスト 大橋啓子