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M-1グランプリ7位の「コンビ名」と5位が演じた「ネタ」

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラッド・ハンド(手前)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のM-1グランプリは、マヂカルラブリーが優勝した。決勝に進出した10組のうち、7位はインディアンスだった。また、5位タイのオズワルドは、改名ネタを演じた。

 ここまで書けば、メジャーリーグのファンには、何を言おうとしているのかわかると思う。アメリカン・リーグ中地区の球団、クリーブランド・インディアンズ――日本語ではインディアンスとインディアンズの表記があるが、どちらも同じ球団を指す――は改名する。7月にニックネーム変更の検討を始めると発表し、今月、変更決定の声明を出した。新たなニックネームはまだ決まっていないが、最速の場合、2022年からインディアンズではなくなる。

 これは、アメリカン・フットボールのNFLで起きているのと、同様の動きだ。今シーズン、暫定的にワシントン・フットボールチームと名乗った球団は、それまでワシントン・レッドスキンズという名称だった。

 どちらのニックネームに対しても、ネイティブ・アメリカンの蔑称であると批判する声は、何年も前から出ていた。昨今の人種差別に対する抗議の高まりが、腰を上げさせた格好だ。APの記事によれば、インディアンズのオーナー、ポール・ドーランは「もはや世の中に受け入れられる名前ではない」と語ったという。

 田渕章裕ときむの2人も、球団とタイミングを合わせ、球団の新たなニックネームをコンビ名としてはどうだろうか。もしかすると、「球団だけでなく、日本のスタンダップ・コメディディアンズも名称を変更」と英語で報じられ、海外進出のチャンスが得られるかもしれない。

 あるいは、球団に持ちかけ、連動するという手もある。球団としても、それによって日本での人気を高めることができれば、悪い話ではないはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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