「4分33秒」の著作権権利処理について
米国の実験音楽家ジョンケージの代表作品に「4分33秒」があります。4分33秒間にわたり楽器の前で何もしないで過ごすという「作品」です。ライバッハ、ニュー・オーダー、デペッシュ・モード、キャバレー・ヴォルテール等のアーティストによるこの作品のカバー映像作品のボックスセットを、イギリスのインディレーベルMUTEが発売するというニュースがありました。
なお、これに関して、虚構であるはずの過去記事が現実化してしまった「誤報」として虚構新聞がお詫び記事を出しています。
さて、この作品の著作権権利処理がどうなっているのか調べてみました。何と、JASRACに通常どおり登録されています(タイトル画像参照)。映像化の権利もJASRACに信託されていますので、日本におけるこのDVDの売上げに応じて所定の著作権使用料がJASRAC→GEMA(ドイツの著作権管理団体)を経て作詞家・作曲家たるジョンケージの遺族に支払われることになります。(追記:すみません、当該ボックスセットは輸入盤になると思われますので、正確には「イギリスの著作権管理団体→GEMAを経て」ということになります。国内盤CD/DVDでこの楽曲が使われた場合には、JASRAC→GEMA経由になります。)(追記^2:ツイッターでコメントいただきましたが、日本のオーケストラでこの楽曲を演奏した時はJASRACにちゃんと使用料を支払ったそうです。)
ちなみに、4分33秒がカラオケで歌えるという話があったような気がして調べてみましたが、こちらはネタだったようです(まあカラオケにあってもいいとは思いますが)。