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女性皇族が装いで発信するメッセージ 愛子さまの決意、雅子さまと佳子さまは…

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
令和5年新年一般参賀の愛子さま(写真:毎日新聞社/アフロ)

年明けの皇室で最も注目を集めたのは、やはり3年ぶりに行われた「新年一般参賀」に、初めて出席された愛子さまであろう。去年12月に公開されたお誕生日の映像は、実にしとやかで柔和な愛子さまの笑顔が印象的だった。

その愛子さまが1月2日、天皇皇后両陛下はじめ皇室の方々と並んで、皇居・長和殿のベランダに立たれたのだ。愛子さまは手元に扇子と手袋をお持ちになり、気品あふれるその所作は、隣に並ばれている雅子さまとそっくりであった。指先を揃えて手のひらを横にしてお手振りされる動作も同じで、おそらく事前に雅子さまから教えて頂いたのだろう。

立ち居振る舞いの一つひとつを、丁寧に身につけようとされていたことからも、真面目な努力家の一面が感じられる。そして、装いの中にも、雅子さまの考えが生かされているように感じられた。

◆愛子さまが装いに込めた思い

初めての新年一般参賀で、愛子さまがお召しになったのは、淡い水色のローブモンタントだった。よく見ると、そこには濃淡のある小さな無数の水玉が描かれており、それが集まって淡い水色を成していた。

筆者は、そのデザインを目にした時、平成29年に天皇陛下が歌会始で詠まれたお歌を思い出した。

「岩かげにしたたり落つる山の水 大河となりて野を流れゆく」(平成29年 天皇陛下御製)

岩から滴り落ちる一滴一滴が集まって、川の流れとなり、やがて大河となっていくことに思いを馳せて詠まれたお歌である。

成年皇族となって1年余りの愛子さまは、このしずくの一滴のように微力ながらも皇室の活動に貢献し、やがてはそれが社会に良い影響となって表れることを、祈られているように思えた。

表れる成年皇族となって1年余りの愛子さまは、このしずくの一滴のように微力ながらも皇室の活動に貢献し、やがてはそれが社会に良い影響となって表れることを、祈られているように思えた。れていらっしゃるのは、天皇陛下を内親王として支えていこうとの決意を示しているとも解釈できる。ているとも解釈できる。

◆雅子さまのブローチ

皇室の方々は装いのコーディネートに、なんらかのメッセージをこめられることがある。天皇皇后両陛下は、ご公務で出かけられる時には、訪れる場所に合わせて色合いを揃えている場合が多い。

新年一般参賀においても、お言葉を発するのは天皇陛下のみで、皇族方は言葉を発しない。そのため、身に着けるブローチやお召し物を通して、メッセージを発信されている場合もあるのだ。

雅子さまは皇室に入られて以来、新年一般参賀の時には、永遠を意味する∞の形のような、メビウスの輪をモチーフにしたブローチを着けていらっしゃることが少なくない。

 平成25年の新年一般参賀でも雅子さまのブローチはメビウスの輪の形(Motoo Naka/アフロ)
 平成25年の新年一般参賀でも雅子さまのブローチはメビウスの輪の形(Motoo Naka/アフロ)

今年も雅子さまは胸元に、その形を思わせるブローチを着けていらっしゃった。

もちろん確証はないものの、皇室が未来永劫、世界の平和と国民の幸せを願っているというメッセージが込められているのではないかと思えてくる。

◆佳子さまの赤いお召し物、その意味は…

女性皇族の中でいつもひときわ存在感を放っていらっしゃるのが、秋篠宮家の次女・佳子さまだ。鮮やかなワインレッドのドレス姿は、佳子さまの美しさを際立たせ、他の女性皇族方とは明らかに違う鮮烈な印象を与えた。

去年11月に愛子さまと雅楽を鑑賞された時も、佳子さまはこの色を選んでいらっしゃったが、はっきりとした色は積極性の表れとも解釈できる。

去年は積極的にご公務に邁進された佳子さまだけに、今年も精力的に取り組んでいかれるのではないだろうか。

愛子さまも学業優先とは言え、お休みの期間はお出ましになる機会が今年は増えるだろう。

様々なご公務の場で、女性皇族方を目にした際には、その華やかな装いをしばし鑑賞しつつ、そこにどんなメッセージが込められているのかを考えてみるのも楽しみである。

「天皇ご一家 それぞれのお人柄に触れる歌会始のお歌」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20230119-00333373

「皇室の方々がSNSで発信する時代は来るのか 宮内庁広報室の対応どうなる」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tsugenoriko/20230126-00334195

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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