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「まだまだ苦しいスコアに変わりない」竜王戦七番勝負で2勝3敗となった広瀬章人挑戦者コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

広瀬章人挑戦者「(第3局に続き先手番で相掛かりを採用し、47手目で手を変えた)まあ、作戦ではあったんですけれども。ちょっとまあ、変化がいろいろある中で、ちょっと本譜がどうだったのかな、っていうところで。こちらの王様がいきなり寄せられてしまう変化も水面下であったので。うーん、けっこう自信がなさそうな局面が途中からは続いていたような気がします。本譜の攻め合いが一手勝ちの変化が多いので、ひょっとしたら、勝っててもおかしくはないかなと思ってました。(1日目はテンポよく指されて事前研究の深さがうかがえた)そうですね、途中までは3局目の将棋とちょっと変化して。有力かなと思ってやってみたんですけど。うーん、ただちょっとそうですね。テンポよく指している中で、ちょっと攻め方を、ひょっとしたら誤っていたかもしれないので。本譜ははたしてよかったのかどうか、っていうところはあります。(82手目、飛車取りに角を打たれたのに対し、飛車を逃げる手に1時間40分の長考となった)△1四角の局面はもちろん、前々から想定はできたんですけど。ただ、そうですね。本譜の筋がやっぱり一番怖くて。ほかの変化を探したんですけど、やっぱり飛車を取られる変化になって苦しいのかな、と思ったので。ちょっとまあ、危ないですけどまあ、勝負したっていうところですね。(形勢がよくなったと感じたのは)えーと・・・。うーん、そうですね。最後の最後まできわどいかと思っていたんですけど。(119手目)▲1四香と角取って、勝ちになったかなと思いました。(これで七番勝負で2勝3敗)まずは一局しのいだという形になったんですけれども。まだまだ苦しいスコアに変わりないので。第6局に向けては、しっかり準備できればなと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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