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熱くて入れない! 温泉ライターが教える「激アツの温泉に遭遇したときの3つの対処法」

高橋一喜温泉ライター/編集者

温泉や銭湯に行くと、「泉温が高すぎて入れない」ということがある。特に冬場は寒さで体が冷えているので、いつも以上に熱く、痛く感じるものだ。

日本人が好む泉温は42度くらいとされるが、温泉施設の中には45度近くに達するところもある。

水で埋めることが許されている温泉であればよいが、そもそも水を自由に入れられない構造になっている温泉施設が多く、共同浴場などでは勝手に水を入れて地元の入浴者とトラブルになることもある。適温の基準は人それぞれだから難しい。

せっかく温泉に入りにきたのに、湯船に満足につかれないのでは、あまりに残念である。

解決策は3つある。

①湯をもむ

熱くて新鮮な湯ほど湯船の表面に滞留しがちなので、かき混ぜることで下部にたまっている古い湯と混ざり合い、泉温は下がる。

ただ、この方法は湯船が小さい場合に限られる。大きな湯船では現実的に難しい。

そこで、おすすめしたいのが、次の方法である。

②かけ湯をする

かけ湯というのは、湯船に入る前に、湯で体を流すこと。もちろん、体の汚れを落としてから入浴するのがマナーであるが、かけ湯には、もう一つ重要な意味がある。

それは、温泉の温度や刺激に体を慣らすこと。これをすることで、心臓発作や脳卒中といった入浴中の事故を予防できるだけでなく、熱い湯にも対応しやすくなる。

とくに熱い湯に入る前は、入念にかけ湯をすると、体をびっくりさせずに、湯船につかることができる。

かけ湯のポイントは、心臓と離れた部分から湯をかけていくこと。手足からはじめて、徐々に肩からかけるようにすると、体への負担が少ない。

③かぶり湯をする

泉温が高い場合は、「かぶり湯」まですれば万全だ。頭から温泉をかぶるのである。

個人差はあるかもしれないが、筆者の場合は、かぶり湯をすることで、熱い湯に入る準備が整う。5回ほどかぶれば、45度くらいの湯でも、なんとか克服できる。しかも、かぶり湯は立ちくらみ防止にもなる。

一度、肩まで湯船につかれれば、こっちのもの。熱く感じるのは最初だけで、体が慣れれば気持ちよく入浴できるケースは少なくない。

そんな「かぶり湯」を江戸時代から風習として行っている温泉が鳥取県にある。山陰最古の温泉地といわれる岩井温泉だ。

ゆかむり温泉
ゆかむり温泉

温泉街には共同浴場「ゆかむり温泉」がある。「ゆ(湯)かむり」とは、てぬぐいを頭にかぶり、柄杓を使って湯を頭からかける岩井温泉独自の風習のこと。つまり、かぶり湯の一種である。

少しでも長く湯につかり、温泉の効能にあやかるために、「湯かむり唄」を歌いながら湯をかぶるのが特徴で、岩井温泉周辺の景勝地などが歌詞に盛り込まれている。実際、岩井温泉の泉温は高めだが、かぶり湯をすることで入浴しやすくなる。

もちろん、かぶり湯をしても克服できない泉温もあるが、熱い温泉に遭遇したときは、ぜひ頭から湯をかぶってみてほしい。無理だと思った湯にも入浴できるかもしれない。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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