防御率トップ10の投手のうち、この夏のトレードで移籍するのは…
現在、ア・リーグの防御率トップ10には、以下の投手が並んでいる。
この10人のうち、1位のタリック・スクーバル(デトロイト・タイガース)と7位のタイラー・アンダーソン(ロサンゼルス・エンジェルス)に、シカゴ・ホワイトソックスの2人、8位のエリック・フェディーと10位のギャレット・クローシェイは、7月30日のトレード・デッドラインまでに移籍しても、おかしくない。
タイガース、エンジェルス、ホワイトソックスは、いずれも、地区首位に10.0ゲーム以上離され、ワイルドカード・レースの3位に位置するボストン・レッドソックスとも、7.0ゲーム以上の差がある。
スクーバルとクローシェイがFAになるのは、2026年のオフだ。それぞれの年齢は、27歳と25歳。この夏にトレードで獲得するには、かなりの見返りが必要になる。だが、どちらも奪三振率は高く、制球も悪くない。ローテーションの1~2番手になり得る。
2人のうち、リスクが低いのは、スクーバルだろう。これまでも先発投手として投げていて、2022年は21登板で防御率3.52、2023年は15登板で防御率2.80を記録した。2022年8月に肘の手術――トミー・ジョン手術ではない――を受け、昨年7月に復帰。そこから、順調に投げている。一方、クローシェイは、昨シーズンまでリリーバーだった。今シーズンの107.1イニングは、すでに自己最多の倍近い。
アンダーソンとフェディーは、2025年のオフにFAとなる。現在の契約は、3年3900万ドル(2023~25年)と2年1500万ドル(2024~25年)だ。エンジェルスとホワイトソックスからすると、この夏が売り時という気がする。2021年以降、アンダーソンのシーズン防御率は、4.53→2.57→5.43→2.97と上下を繰り返している。フェディーは、昨シーズン、韓国で好投し、メジャーリーグへ戻ってきた。
ホワイトソックスの場合、この夏にクローシェイを手放すのであれば、来シーズンは再建ということになるので、来シーズンまでしか保有できないフェディーも放出するのが、順当な動きだ。アンダーソンもフェディーも、ローテーションの3番手以降として、需要はあるだろう。
ナ・リーグの防御率トップ10は、以下のとおり。
ア・リーグと違い、ナ・リーグのトップ10にランクインしている投手は、移籍することなく、投げ続けそうだ。
彼らがいるチームのうち、フィラデルフィア・フィリーズ、アトランタ・ブレーブス、セントルイス・カーディナルスは、ポストシーズン進出圏内に位置する。あとの1チーム、シンシナティ・レッズも、そう離されてはいない。ワイルドカード・レースの3位、ニューヨーク・メッツとの差は3.0ゲームだ。
また、レッズがデッドラインまでに黒星を積み重ね、売り手に回ったとしても、ハンター・グリーンとアンドルー・アボットを手放すとは思えない。
2人とも、来シーズンの開幕時の年齢は25歳だ。グリーンとは、6年5300万ドル(2023~28年)の延長契約を交わしていて、そこには、2029年の球団オプションがついている。アボットがFAになるのは2029年のオフなので、どちらも、あと5シーズン以上も保有できる。