長浜ナンバーワンを継承

福岡市東区土井という町に、博多の伝統のお店のひとつ〈長浜ナンバーワン〉の出身だという店主さんが営むお店「長浜らーめん いのいち」。2021年にオープンしたお店ですが、以前は、スタミナ皿うどんで長らく有名だった〈山ちゃんラーメン〉があり、その閉店後に博多だるまの系統の〈ラーメン工房にへい〉が入り、その後にこの〈いのいち〉がオープン。
公共交通機関ではちょっと難がありますが、店前には駐車場もあり、名店が続く伝統の場所。現在もまた、伝統の味を受継ぐお店として営業しています。

店内は以前とレイアウトはあまり変わりませんが、看板は白地に黒の文字がシンプルでオシャレですね。カウンターのみ10席程度でしょうか。メニューは基本のラーメンに、餃子や唐揚げのセットとシンプルなラインナップ。

ラーメン（生卵トッピング）

煮卵に生卵とトッピングも選べます。今回は生卵をトッピングしてみました。ネギとチャーシューはデフォのトッピング。表面の脂感と濃度は控えめに感じる仕上がりは、やはり長浜系を彷彿とさせます。

表面にはバリっとラード感が漂い、熱々のスープです。一口目はさっぱりとしたライトな口当たりなのですが、だんだんと口の中に広がる豚骨フレーバーが絶妙。王道の長浜スタイルですが、深みもある豚骨の風味が美味しい。

細めの低加水のような歯切れ良いストレート麵。これもまた長浜スタイル。あっさりとした豚骨の味わいを引き込み、サラリといただけます。

この脂感控えめなチャーシューも、歯応えがあり味わいも良し。このパサッとした肉感もまた王道。メニューには替肉もあります。塩味の効いた味付けは、替玉時に追加しても良さそう。

ラーメン

こちらはノーマルのラーメン。少し泡立つ感もありますが、味わいはスッキリとしています。このトッピングのシャキシャキネギも美味しいんですよね。

濃度はやはり控えめ。なのにコク深い味わいで、カエシの塩味も強くなくいい感じ。重さや臭みは全くなく、後味もスッキリです。

この優しい味わいのスープと相性バッチリの細麺ストレート。これはサクッと食べ終えて替玉ですね。

卓上にある辛子高菜と紅ショウガも。辛子高菜はラーメンに入れるよりは白ごはんとの相性が良いです。辛味も控えめで、お漬物感覚でいただけます。

お店に入れば、まずは食券機で購入するシステム。お店の造りからメニューからシンプルですが、だからこそ美味しいのかもしれません。

中心部よりは少し外れた町の一角。でもこの場所は、伝統の味を受継ぐお店が継承し、車で訪れる人が数多く。名店の味を引継ぎながらも、オリジナルの深みある味わいを楽しめる。少し足を伸ばしてでも、食べる価値がある一杯です。

長浜らーめん いのいち