東京都心では54年ぶりの11月の初雪か?
勤労感謝の日(水)は、11月としては強い寒気が関東地方まで南下する見込みです。
このため、23日(水)から24日(木)にかけ、関東地方の平野部でも雪になりそうです。
東京都心の初雪
東京都心でも降雪の可能性があり、雪になれば初雪です。
東京地方の週間天気予報によれば、11月24日は最低気温の予想が3度、「雨か雪」の予報です。
「雨か雪」と、雨のほうを先に言っていますので、可能性としては雨のほうが高いという予報です。
もし、雪の可能性が高くなれが、「雪か雨」という予報に変わります。
東京都心で雪が降れば、昭和37年(1962年)11月22日以来、54年ぶりの11月の初雪になります。初雪はその冬初めて降る雪のことで、雨に雪が混じった霙(みぞれ)でも初雪です。ただ、霰(あられ)や雹(ひょう)が降っても、初雪ではありません。
明治期には10年に1回位は11月の初雪があり、最も早い初雪は明治34年の11月17日です。
このため、5位までの早い記録にはなりませんが、近年は珍しい早さとなります。
日本で一番早い初雪は7月8日
富士山などの高い山では、夏でも雪が降ることがあります。
そこで、その年の日平均気温が一番高かった日を基準に、この日以前に雪が降った最後の日を終雪、この日以降に最初に降った日が初雪です。
この基準で言うと、日本で一番早い初雪は富士山頂の7月8日です。
富士山頂には、気象庁職員が常駐していた時代(昭和7年~平成16年)があり、昭和8年の初雪は7月8日です。昭和8年で日最高気温が一番高かったのは7月2日(8.6度)であったためです。
そして、この7月8日が日本で最も早い初雪と思われます。
初雪と初氷
空気が乾燥していると、降ってくる雪の表面で一部が昇華して水蒸気に変わることで冷され、融けにくくなることから、気温が5℃位でも雪が降りますが、多くは3℃以下のときに雪が降ります。
また、気温を測るのは地表から約1.5mの高さですので、放射冷却などによって地表面が特に冷やされると、気温が3℃位でも、地表面付近では0℃以下となって結氷します。
つまり、初雪も初氷も、ともに目安は気温が3℃以下ですが、各地の初雪と初氷の平年値を比べると、初雪のほうが早いのは、主に日本海側の海岸よりの地方です。晩秋の冬型の気圧配置のとき、地表付近が冷え込む前に、日本海で発生した雪雲が入ってくるからです。これに対し、太平洋側の地方など、多くの地方では冬型の気圧配置となって冷え込んでも、雪雲は入ってきませんので、初雪が初氷より遅れます。
東京都心も、初氷の平年値は12月17日、初雪の平年値は1月3日と、初氷のほうが早くなっています。
東京都心では珍しい一年で2回の初氷
東京都心では、今年1月13日に平成27年から28年にかけての冬での初氷を観測し、遅い記録の第一位タイとなっています。
平年値のように、12月中に結氷すれば、平成28年から29年にかけての冬での初氷を観測することになり、平成28年は、一年で2回の初氷という珍しい年になります。
昭和元年からの東京の結氷の記録によると、初氷が早い年と終氷が遅い年は、昭和初期で、初氷が遅い年、終氷が早い年は、平成になってからです。氷の季節は、昔に比べて確実に短くなっています。
結氷より例外の年がある降雪
結氷より昔から観測記録がある降雪でも、似た傾向がありますが、平成22年のように遅い終雪という年もあります。
雪と氷の期間は、都市化や地球温暖化の影響で短くなる傾向がありますが、これは平均的な話です。
雪の季節は、年によっては早くから、あるいは遅くまで続くことがありますので、常に気象情報に注意する必要があります。