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埼玉西武の今井達也があと「1」に迫った「与四球100」を最後に記録したのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
メットライフドーム Jun 19, 2020(写真:アフロ)

 今シーズン、埼玉西武ライオンズの今井達也は、初めて規定投球回に到達し、こちらも初の防御率4.00未満を記録した。158.1イニングはリーグ4位、防御率3.30は7位。奪三振137は5位に位置した。

 一方、与四球は両リーグで最も多く、三桁まであと1に迫った。ちなみに、与四球60以上は他に3人。埼玉西武の松本航髙橋光成が与四球64と62、読売ジャイアンツの髙橋優貴が与四球61を記録した。パ・リーグのトップ3には、埼玉西武の投手が並ぶ。セ・リーグも、トップ2は読売の投手だ。戸郷翔征が与四球58。埼玉西武と読売以外の10球団に、与四球55以上の投手はいなかった。

 また、今井の与四球99は、今世紀2番目の多さだ。今井、松本、髙橋とチームメイトだった松坂大輔が20年前に記録した、与四球117に次ぐ。2001年以降、シーズン与四球90以上はこの2人だけ。3番目は、松坂と同じ2001年に井川慶が与えた89四球。こちらは、今世紀のセ・リーグにおけるシーズン最多だ。

筆者作成
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 2001年以降のシーズン与四球75以上は、18人中5人が西武/埼玉西武で記録している。2001年の松坂(117)と西口文也(85)、2009年の涌井秀章(76)、2014年の菊池雄星(78)に、2021年の今井だ。今井の前の4人はいずれも西武/埼玉西武のエースだった(与四球75以上の当時はそうではなかった投手もいる)。今井も、彼らに続くのかもしれない。

 なお、松坂の前にシーズン三桁の与四球を記録したのは、1998年の石井一久だ。ヤクルト・スワローズで投げ、105人を歩かせた。20世紀の終盤、1990~2000年の与四球100以上は、3人が延べ6度。こちらは、1990年の野茂英雄(109)、1991年の野茂(128)、1992年の野茂(117)、1993年の野茂(148)、1995年の西崎幸広(102)に、1998年の石井だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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