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車のガソリン代急騰の昨今ですが、ガソリン代込みのカーシェアってお得じゃない?

山崎俊輔フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP
ガソリン代の値上がり、カーシェアなら「込み込み」料金です。(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

ガソリン代が高騰! リッター160円以上に!

私が初めてマイカーを所有したとき、ガソリン代はリッターあたり100円を切っていました。最安値のガソリンスタンドはさらに安く、一時期は90円を切っていたと思います。気軽に満タンにしてはいろんなところに車で出かけたものです。

今はガソリン代が高騰しています。2014年来の高値圏と報じられていて、資源エネルギー庁のデータでは168.9円/リットルだそうです(11/15日時点)。

11/17 NHKオンライン ガソリン価格 11週ぶり値下がりも2014年以来の高値水準続く

参考)過去のガソリン代推移をまとめたサイト

新型コロナウイルスの感染拡大が収まっていて、せっかく外出してもいい雰囲気になっているのに、ガソリン代の高騰に耐えかねてマイカーの利用を控えている人もいるかもしれません。

マイカーのない人にはいい選択肢があるかもしれません。それは「ガソリン代込み」のカーシェアサービスです。

カーシェアは実はガソリン代が利用料金に含まれている

近年、レンタカーがコインパーキングに出張してきたような形の「カーシェア」サービスが普及しています。カーシェアサービスに会員登録し、アプリやWEBで利用時間を入力して空車を予約、利用するサービスです。貸与されているICカード等が開錠の鍵となります。

タイムズカー、カレコ、オリックスカーシェアなど何社かのサービスがあり、各社が配車スポット数や提供台数を競い合っています。

初期費用をとるところやとらないところ、月会費をとるところやとらないところがあり(月会費を徴収する場合、利用料金に充当できることが多い)、また利用車種や利用時間によって料金が異なります。

ちょっと思いついてホームセンターに買い物に行くような、突発的な数時間利用が手軽にできるのがカーシェアの便利なところです。利用直前5分前でもスマホひとつで予約が簡単に行えます。

返却もスポットまで車を戻せば、無人で手続きが行えます。レンタカー会社の営業所まで足を運ぶ必要がなく、自宅近くのコインパーキングで貸し借りが完結するわけです。

さて、一般的なレンタカーは返却前に最寄りのガソリンスタンドで自腹でガソリンを入れて「満タン返却」をすることが原則です。そうでなかった場合、走行距離見合いで追加料金を求められます。これでは「レンタカー料金+ガソリン代」となり、ガソリン代高騰の影響を私たちも受けます。

しかし、カーシェアサービスでは、基本的にガソリン代が無料(利用料金に含む)で設定されています。給油が必要な場合、給油支払い専用の特殊なクレジットカードが車内に用意されていて、ガソリンスタンドで提示することで本人負担は無料ですみます。

タイムズカーのように給油の手間をかけた人に30分利用料金を割引するところもあります(20リットル以上の給油が条件)。これならむしろ「給油をすると割安」です。

カーシェアはいろんな費用が「込み込み」になっている

カーシェアサービスはいろんな費用が「込み込み」になっています。「ガソリン代」はすでに述べたとおりですが、基本的な「自動車保険料」も含まれており最低限のリスクへの備えも設定されています(事故時にはNOCという一定額の負担が生じるが、負担のないプランもある)。

また個人が車を所有するときには気になる「税金」「整備・メンテナンス費用」「駐車場代」なども利用料金に含まれているといえます。会社側が負担をしているから、私たちは気にしなくていいわけです。もちろん「車両購入費用」も個人の負担はありません。

そう考えると、マイカーを手放して、「駐車場料金=1カ月のカーシェア料金」程度に収まれば、明らかにお得ということになります。

今後もガソリン代が高騰を続けるか、今のガソリン代の水準が長期化するようであれば、利用料金の値上げがあるかもしれませんが、今は会員数の増進や利用拡大に努めている時期なので、短期的には心配しなくてもいいと思います。

マイカーを手放してシェアリングエコノミーに参加してみよう

ある調査では、一週間あたりのマイカーの利用時間は0.5~1.5時間の範囲に8割弱のユーザーが収まっていたそうです。つまり、所有していても168時間(1週間)のうち、0.9%くらいしか利用していないというわけです。

そのために「購入費用」「維持費用(車検、メンテナンス費用」「自動車保険料」「駐車場代」「ガソリン代」を払っていることになります。条件にもよりますが、毎月あたりの負担が月3~5万円あるいはそれ以上ということもあるでしょう。

これからはシェアリングエコノミー(所有する時代からシェアする時代への変化)だと言われます。社会の環境負荷の問題だけではなく、「個人のコスパ」の観点からもカーシェアは「お得」で有意義ではないでしょうか。

実は私も、車検を前にマイカーを手放し、カーシェアライフに切り替えたのですが、ほとんど生活に支障はありません。週末など予約が取れない心配もありましたが、必要なときにはおおむね借りることができています。

車関連費用はおおむね半減しました。厳密に積算すれば3分の1くらいになっているとみています。

ガソリン代高騰のニュースを見るにつけ、カーシェアに切り替えて正解だったなと感じています。

近くにスポットがある首都圏暮らしの人におすすめ

カーシェアサービスはコインパーキングの拡大とセットなので、首都圏や住宅街を中心に広がっているサービスです。ですから、自分が利用できるシーンに暮らしているかは車を手放す大きなポイントになります。まずは近隣のコインパーキングにカーシェアの設定があるか調べてみましょう。

また、出勤に車が欠かせないような生活スタイルであれば無理をして切り替えする必要はありません(ガソリン代は苦しいですが、利用の実態はあるのでムダではない)。

首都圏暮らしで、マンションの地価駐車場でマイカーが埃をかぶっているような人にとっては、この機に車を手放してみるのも一考です。ガソリン代を気にしないですむ、カーシェアライフを一度検討してみてはいかがでしょうか。

フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP

フィナンシャル・ウィズダム代表。お金と幸せについてまじめに考えるファイナンシャル・プランナー。「お金の知恵」を持つことが個人を守る力になると考え、投資教育家/年金教育家として執筆・講演を行っている。日経新聞電子版にて「人生を変えるマネーハック」を好評連載中のほかPRESIDENTオンライン、東洋経済オンラインなどWEB連載は14本。近著に「『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」「共働き夫婦お金の教科書」がある。Youtube「シャープなこんにゃくチャンネル」 https://www.youtube.com/@FPyam

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