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実弾紛失騒動で改めて示された「自白」偏重で過ちを繰り返す警察の姿勢

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:イメージマート)

 奈良県警の実弾紛失騒動を巡る国賠訴訟で、奈良地裁が県に約355万円の支払いを命じた。実際には奈良西署に5発少なく配分していた県警本部のミスであり、紛失の事実などなかったのに、点検をした西署の20代の男性巡査長が盗んだと決めつけ、「自白」を強要し、うつ病の発症や休職にまで追い込んだという。

なぜ配分ミスの発覚が遅れた?

 この事件は、2020年11月に奈良県警本部が奈良西署に対して実弾を配分した際、数量を誤って5発少なく納入したことが発端となっている。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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