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何も言わずに私の前から消えた恋人。傷心から立ち直るのに時間がかかりました~おみおじリポート(66)~

大宮冬洋フリーライター
環境NGOで働いている国際派。海外大学院卒。でも、「競争は苦手です」(本人提供)

「ひとりきりの人生」に焦りを覚えたら取るべき3つの選択肢

※2021年8月10日追記。西川さんはオネット活動開始から半年が経過し、自動退会となりました。残念ながらオネットでは良き縁をご紹介できることはできませんでしたが、彼女の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 未婚男性の場合は40歳前後から、女性は35歳前後から、「このままひとりきりで一生を終えるのかも」と焦りを覚えることが多いようです。でも、時すでにちょっと遅し。周囲の同世代で「いいな」と感じる人はたいてい結婚していたりします。今から結婚する方法は3つです。

1、自分を客観的に見つめ直し、結婚生活に求めるものを明確にしたうえで、既存の人間関係を洗い直す。恋愛対象ではなかった友人知人も結婚相手としては良いかもしれない。

2、結婚したい旨を友人知人親戚に伝えて、良さそうな独身者を広く探す。紹介してもらったらちゃんと感謝して、その人柄を事前に聞き取り、早めに会うことがポイント。

3、自分に合った社会人サークルや婚活サービスを活用して、外の世界に活路を求める。ただし、「自分を棚に上げて」(byマチコ先生)好条件の相手を選ぼうとすると失敗する。

 以上を併用することも可能です。例えば、21人目の受けオネット会員である菊池綾乃(仮名、41歳)さんは、オネットで活動(上記の3に該当)していたら知人男性の良さに気づいて最近まで交際していました(1に該当)。しかし、結婚するご縁ではなくて別れてしまい、先月末からオネットに復帰しています。

 オネットはいますぐ結婚したい人だけの社会人サークルのようなものです。会員はこうして僕の文章を読んでくれている人たちなので、男女ともに僕と少し雰囲気が似ています。良くも悪くも平和的なのです。今回登場する西川恭子さん(仮名、39歳)もすごく知的で健やかなのに、マウンティングっぽい発言は皆無。受けオネット面談でも話が弾みました。

競争は好きじゃありません。お互いが得意なことをして補い合いたい

 有名私立大を卒業後に合計10年間ほど民間企業で実務を学び、ドイツの大学院で修士号を取得後は環境NGOの職員として国際的に活躍している西川さん。客観的にはバリキャリというかグローバルエリートですね。

「NGOというとボランティアのイメージが強いかもしれません。私は正職員として一人で生きていけるぐらいのお給料はいただいて働いています。高給取りではありませんけど」

 謙虚に語りながらも卑屈さや隠れた優越感のようなものは漂いません。聞けば、学生時代から環境問題に関心があり、その志を果たせる道筋を懸命に歩んできたそうです。自分を他人と比べたりはしないのでしょう。

「一人っ子ゆえなのか、競争があまり好きではないです。お付き合いする人でも、自分のほうが語学ができないとか、自分のほうが忙しいと繰り返されると苦しくなってしまいます。お互いが得意なこと、やりたいことをして補い合いたいです」

 留学先のドイツでは「ワイン祭もビール祭も開かれる街」に住み、自宅でもつまみのような料理を作ってビールやワインを楽しむのが好きになったという西川さん。プライベートの時間も大切にしています。

「登山や自転車が好きですが、半分はインドア派です。自宅のインテリアを考えたり、本を読んだりして休日を楽しく過ごしています。特に詩を読むのが好きです」

 うーん、いい意味で平凡ですね! ちなみに結婚相手の年齢や国籍にはこだわりがないそうです。シングルファーザーにも「まずは会ってみたい」とのこと。これならば幅広い層の男性とお見合いできそうです。

自作の「タコのガリシア風」。「スペインで食べたのが忘れられず、レシピを探して自分で作ってみました。白ワインにぴったりのおつまみです!」(本人提供)
自作の「タコのガリシア風」。「スペインで食べたのが忘れられず、レシピを探して自分で作ってみました。白ワインにぴったりのおつまみです!」(本人提供)

長い付き合いをしたいと思っていた相手が急にいなくなることだけはもう避けたい

 ただし、実際には交際相手の範囲は狭まってしまうのが高学歴女性にありがちなパターンです。高学歴男性は幅広い層の女性からモテますが、その逆は起こりにくいのが日本社会の現実なのでしょう。西川さんも今までの恋愛を振り返ります。

「お互いの学歴などが話題に出たことはほとんどありませんが、仕事を通じて知り合った公務員や新聞記者の方だったので、学歴や収入は私と同じぐらいかちょっと上だったかもしれません。相手の学歴や職業などには私はこだわりません」

 直近の恋人と別れたのは1年前のこと。2歳年下の男性で、やはり仕事で知り合ったそうです。

「最後のほうはぎくしゃくしていて、彼が私のことをもう好きじゃないことを感じていました。別れることも含めてちゃんと話し合おうとしたら、彼はそのまま何も言わずにいなくなってしまったんです。ショックでした……。これから生きていくうえで、味方と安らぎが欲しいなと思ってオネットに参加しました。大宮さんとマチコ先生が間に入っていただけるので安心できると感じています。長い付き合いをしたいと思っていた相手が急にいなくなってしまうことだけはもう避けたいです」

一見すると弱々しい男性でも結婚相手として受け入れられますか?

 率直でいいなあ。すっかり西川さんのことが気に入ってしまった僕。この記事を読んで西川さんのことをちゃんと理解してくれた男性とのご縁をさっさと結びたい。そして一緒に飲み交わしたい! 一方のマチコ先生は冷静な表情を崩しません。

「西川さんの結婚を応援したい気持ちを前提にお伝えします。(経歴面で)釣り合う男性を見つけるのはかなり難しいです。今まで西川さんが付き合ってきた人たちは、好奇心や向上心が強くて仕事もできる人たちですよね。今後は、そういう人たちを手放せるか否かがポイントです。一見すると弱々しい男性でも受け入れられますか?」

 マチコ先生によれば、結婚とは役割分担です。競争は好きではないという西川さんですが、結果としては海外滞在も平気な「グローバルエリート」になっていますよね。結婚相手が自分と同じぐらい「強く」なくても、お互いを認め合って補完し合えるのでしょうか。

「確かに、今まで付き合ってきた男性の範囲が狭いので、どんな人が自分に合っているのかがわかっていません」

 ちょっと自信なさげな西川さん。すかさずマチコ先生が激励します。

「大丈夫です。いろんな人と会ってみて、どんな人と一緒にいるときが好きな自分でいられるのかを見極めてください。オネットで何人かとお見合いをしながら決めていきましょう」

 よかったですね、西川さん。キーワードは「精神的なフラットさ」だと僕は感じています。学歴や職歴が高くなくても、そういうタイプの男性は必ずいます。僕たちと一緒に探しましょう!

趣味の一つは自転車。「良い季節の時に川沿いを走ったり、街中を走ったりしています。途中でおいしそうなパン屋さんや野菜売り場を見つけると嬉しくなります」(本人提供)
趣味の一つは自転車。「良い季節の時に川沿いを走ったり、街中を走ったりしています。途中でおいしそうなパン屋さんや野菜売り場を見つけると嬉しくなります」(本人提供)

※文中のオネット会員は仮名です。西川さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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