岡林勇希の「本塁打ゼロで三塁打10本」は史上初!? 中日で二桁三塁打は19年ぶり
今シーズン、岡林勇希(中日ドラゴンズ)は、142試合に出場し、打率.291と出塁率.329、OPS.702を記録した。161安打は両リーグ最多タイ、10三塁打は両リーグ最多、24盗塁と22犠打は両リーグ3位タイだ。ライトとセンターを守り、外野手としては両リーグ4位タイ――セ・リーグでは最多――の7補殺を記録し、ゴールデングラブに選ばれた。
まさに、3年目のブレイクだ。それまでの一軍出場は、2020年が6試合、2021年も24試合に過ぎなかった。ただ、プロ初のホームランは、まだ打っていない。二軍でも、通算0本だ。
1シーズンに10三塁打以上は、見落としがなければ、岡林が延べ82人目。1951年に18三塁打のシーズン記録を樹立した金田正泰は、6度記録している。ちなみに、福本豊の二桁三塁打は、1973年と1978年の2度。両シーズンとも10三塁打だ。福本の通算115三塁打は、どの選手よりも多い。金田は、歴代3位の通算103三塁打。2人の間には、通算109三塁打の毒島章一が位置する。
82人中、63.4%の52人は、三塁打が10本以上でホームランは10本未満だ。けれども、これまでの51人は、二桁三塁打を記録したシーズンに、少なくとも1本のホームランを打っている。今シーズンの岡林のような、三塁打10本以上&本塁打ゼロはいない。
今世紀に入ってから、1シーズンに二桁の三塁打を記録した選手は、以下のとおり。
2019~21年は皆無なので、今シーズンの岡林は、2018年の2人、14三塁打の上林誠知(福岡ソフトバンク・ホークス)と10三塁打の田中広輔(広島東洋カープ)以来、4年ぶりの達成者ということになる。中日では、2003年に11三塁打の福留孝介以来、19年ぶりの二桁三塁打だ。
2003年の福留は、ホームランも少なくなく、34本を数えた。今世紀だけでなく、20世紀にシーズン二桁三塁打を記録した選手にも、同じシーズンに30本塁打以上は見当たらない。82人のなかで、福留に次いでホームランが多いのは、1949年の川上哲治と1961年の張本勲だ。どちらも、10三塁打と24本塁打を記録した。二塁打は、2000年に11三塁打と40二塁打の松井稼頭央が最も多い。この年の松井は、23本のホームランも打った。
なお、こちらでは、岡林のチームメイト、ライデル・マルティネスが記録した、50イニング以上で防御率0点台について書いた。