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ライデル・マルティネスの「50イニング以上で防御率0点台」は今世紀11人目。中日では11年ぶり

宇根夏樹ベースボール・ライター
ライデル・マルティネス MARCH 5, 2017(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 今シーズン、ライデル・マルティネス(中日ドラゴンズ)は、56登板で55.2イニングを投げ、防御率0.97を記録した。昨シーズン、50イニング以上で防御率0点台は、各リーグに1人ずついた。52.1イニングで防御率0.86の栗林良吏(広島東洋カープ)と、60.0イニングで防御率0.90の平良海馬(埼玉西武ライオンズ)だ。

 ただ、今世紀に入ってから、1シーズンに50イニング以上を投げ、防御率0点台を記録した投手は、ここ2シーズンの3人を含め、延べ11人しかいない。2001~22年の22シーズンに11人ということは、2シーズンに1人の割合となる。シーズン平均は0.5人だ。ここ2シーズンは計3人なので、シーズン平均1.5人だが、その前の5シーズン、2016~20年は誰もいなかった。

筆者作成
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 このなかで、藤川球児だけは、50イニング以上&防御率0点台を2度記録している。2006年が79.1イニングで防御率0.68、2008年は67.2イニングで防御率0.67だ。その間の2007年は、83.0イニングを投げ、防御率1.63だった。

 今シーズンのマルティネスは、中日では、2011年に87.1イニングで防御率0.41の浅尾拓也以来。11年ぶりの50イニング以上で防御率0点台だ。ちなみに、2011年の浅尾は、他の10人と比べても、防御率がずば抜けて低い。唯一人の防御率0.50未満だ。

 ちなみに、2011年の浅尾と今シーズンのマルティネスの間には、吉見一起が48.0イニングで防御率0.94を記録している。だが、これは先発8登板によるものだ。4月と5月は計7試合に登板したものの、6月と7月の登板はなく、8月に1登板後、再び離脱した。

 なお、今シーズン、防御率0点台でマルティネスに次いでイニングが多かった5人は、44.0イニングで防御率0.61の阿部翔太(オリックス・バファローズ)、29.2イニングで防御率0.91のロベルト・オスナ、27.1イニングで防御率0.99の嘉弥真新也(福岡ソフトバンク・ホークス)、24.0イニングで防御率0.75の石井大智(阪神タイガース)、22.1イニングで防御率0.81の宇田川優希(オリックス)だ。今オフ、千葉ロッテ・マリーンズを退団したオスナは、福岡ソフトバンクとの契約合意が報じられている。

 2011年の浅尾と昨シーズンの平良のように、50イニング以上を投げて被本塁打ゼロの投手については、1年前にこちらで書いた。今シーズンのマルティネスは、読売ジャイアンツの2人、中田翔丸佳浩にホームランを1本ずつ打たれている。

「被本塁打ゼロの投手。今年のロベルト・スアレスと平良海馬は60イニング以上で0本」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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