衆参補選 注目2選挙区の終盤情勢=JX通信社 独自情勢調査
4月23日に投開票される衆参補欠選挙について、JX通信社は15・16日の両日、衆院和歌山1区(和歌山市)、山口2区(岩国市、下松市など)の有権者を対象に独自の調査を実施した。情勢判断にあたっては、電話情勢調査の結果に予測モデルを適用して分析した。
和歌山1区では、日本維新の会新人の林佑美氏が一歩リードし、自民党前職の門博文氏が猛追している。また、山口2区では自民党新人の岸信千世氏がやや先行し、無所属元職の平岡秀夫氏が激しく追い上げている。いずれの選挙区でも投票態度を明らかにしていない有権者が2割程度おり、今後情勢は変わる可能性がある。
和歌山1区:無党派層の支持が厚い維新・林氏
和歌山1区補欠選挙では、林氏が維新支持層の9割近くを固めたほか、無党派層の5割弱、自民支持層の3割弱、立憲支持層の約5割からも支持を得ている。門氏は自民支持層の約6割、公明支持層の7割を固めているが、無党派層からの支持は2割ほどにとどまっている。共産党新人の国重秀明氏は共産支持層をほぼ固めた。政治家女子48党新人の山本氏は支持拡大が課題だ。
今回の補欠選挙は、和歌山1区から選出されていた岸本周平氏(現和歌山県知事)が和歌山県知事選挙に立候補したことによるものだ。その岸本氏は、前回衆院選まで小選挙区で議席を争っていた門氏を支援しているが、岸本知事を支持する層に絞っても林氏と門氏は互角の争いとなっている。岸本知事を支持しない層では林氏が優勢だ。
山口2区:自民・岸信千世氏を平岡氏が激しく追い上げ
山口2区補欠選挙は、岸信夫元防衛大臣が議員辞職したことを受けて行われている。岸信夫氏の長男である信千世氏と民主党政権で法務大臣を務めた平岡氏による一騎打ちの構図となった。
信千世氏は自民党支持層の約7割、公明党支持層の約6割を固めたほか、無党派層の2割からも支持を得ている。一方、平岡氏は立憲支持層の約8割、維新・国民支持層の半数以上を固めたほか、無党派の4割超、自民・公明両党の支持層のそれぞれ約1割からも支持を得ている。投票先を「まだ決めていない」とした回答者に「好感を持っている候補者を強いて挙げれば」と聞いた設問では平岡氏が信千世氏の2倍近い支持を集めている。
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JX通信社では、衆参補選のその他の選挙区でも序盤から中盤にかけて報道各社と合同で情勢調査を実施している。
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参院大分選挙区終盤情勢:吉田氏、白坂氏が大接戦 参院大分補選の終盤情勢(大分合同新聞社・大分放送・JX通信社合同調査)
調査の方法
4月15日(土曜日)と16日(日曜日)の2日間、無作為に発生させた電話番号に架電するRDD方式で、和歌山1・山口2両選挙区内の18歳以上の有権者を対象に調査した。1158人から回答を得た。