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髪切った? すっきり藤井聡太二冠(19)王将戦二次予選で石田直裕五段(32)と対局 戦型は相掛かり

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 7月30日。東京・将棋会館において第71期ALSOK杯王将戦・二次予選▲藤井聡太二冠(19歳)-△石田直裕五段(32歳)戦が始まりました。

 藤井二冠は9時35分頃に入室。多忙をきわめる中、今朝もいつも通り、余裕をもって対局に臨みました。

 藤井二冠は髪を切ったのか、少しすっきりした印象を受けます。

 そういえば昨年のこの時節、師匠の杉本昌隆八段は散髪を勧めていました。

 藤井二冠の今年度成績は16勝3敗(勝率0.842)です。

 王位戦七番勝負、叡王戦五番勝負を戦っている藤井二冠。竜王戦はベスト4に進み、王将戦、棋王戦でも今年度タイトル獲得の可能性を残しています。

 9時45分頃、石田五段入室。石田五段の今年度成績は6勝5敗(勝率0.545)。厳しい一次予選を2年連続で勝ち抜き、今期二次予選初戦では井出隼平五段に勝利。初のリーグ入りまであと2勝となりました。

 本局の勝者は二次予選決勝で稲葉陽八段と対戦します。

 上座の藤井二冠は「王将」、下座の石田五段は「玉将」を所定の位置に据え、駒を並べ終えます。

「藤井先生の振り歩先です」

 記録係が手の中で5枚の歩をよく振って、上に放ります。畳の上には表の「歩」が3枚、裏の「と」が2枚出ました。

「歩が3枚です」

 本局は藤井二冠の先手と決まりました。

 前回の竜王戦5組決勝では、石田五段先手。そして後手を持った藤井二冠は終盤、△7七同飛成という歴史的妙手を指しました。

「それでは時間になりましたので藤井先生の先手番でお願いします」

 両対局者は一礼。持ち時間3時間の対局が始まりました。

 藤井二冠は紙コップを口にして、気息を整え、初手は飛車先の歩を突きました。

 対して石田五段も飛車筋の歩を前へと進めていきます。

 5手目、藤井二冠は角の横に金を上がります。今日は相掛かりの選択でした。

 序盤の駆け引きのあと、石田五段、藤井二冠の順に飛車先の歩を交換します。

 藤井二冠は飛車を大きく使って石田陣の7筋の歩を取る戦果を得ます。対して石田五段は進め手得を主張。形勢は互角です。

 10時40分現在、藤井二冠が33手目を考慮中。本格的な戦いが起こるのはもう少し先となりそうです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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