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日米に「ルーキーの本塁打王」が誕生する!? NPBは過去4人、MLBは8人。同じ年に揃うのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ) Apr 7, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 日本プロ野球では、村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)が、31本のホームランを打ち、セ・リーグのトップまで2本差の3位タイに位置する。メジャーリーグでは、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)が、コディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)と並び、ナ・リーグ最多の42本塁打を記録している。村上とアロンゾは、年齢こそ19歳と24歳ながら、どちらもルーキーだ。村上の一軍デビューは昨年9月。アロンゾは、今シーズンの開幕戦でメジャーデビューを果たした。

 これまで、本塁打王を獲得したルーキーは、日本プロ野球に4人、メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)は8人いる。人数に差はあるが、日本プロ野球と同じスパンに限れば、メジャーリーグも同じく4人だ。

筆者作成
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 なお、日本プロ野球の場合、1936年秋の本塁打王は、ルーキーに数えなかった。ナ・リーグ1年目の本塁打王、1876年のジョージ・ホール(5本)は、その前にナショナル・アソシエーションでプレーしている。ア・リーグ1年目、1901年のナップ・ラジョイ(14本)は、ナ・リーグのフィラデルフィア・フィリーズからア・リーグのフィラデルフィア・アスレティックスへ移籍した。

 村上が本塁打王のタイトルを手にすれば、60年ぶり5人目となる。アロンゾが獲得すると、こちらは9人目。2年前のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)以来だ。また、2人ともそうなれば、1946年の大下弘ラルフ・カイナーと同じく、ルーキーの本塁打王が日米に揃い踏みする。大下とカイナーは、2人とも1922年に生まれた。同じ年の本塁打王も、1946年だけではない。翌年と1951年もそう。大下の本塁打王はこの3度だが、カイナーは1952年まで7年続けて獲得した。

 村上とアロンゾは、本塁打王のみならず、打点王のチャンスもある。村上は1位タイの86打点、アロンゾは6位タイの101打点を挙げている。アロンゾとトップの差は8打点だ。日本プロ野球において、ルーキーの打点王は、1958年に本塁打王を獲得した長嶋茂雄しかいない。メジャーリーグには数人いるものの、こちらも絶えて久しく、1950年のウォルト・ドローポが最後だ。メジャーリーグに、本塁打と打点の二冠を手にしたルーキーはいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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