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「『怒りん坊の人』が、実は、『双極性障害』だった、『自己愛性パーソナリティ障害』だった」というお話。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「『怒りん坊の人』が、実は、『双極性障害』だった、『自己愛性パーソナリティ障害』だった」というテーマでお話ししたいと思います。

私は、怒り感情については、非常に詳しいカウンセラーです。
今まで様々な怒りに関する本を読んできました。「怒りが消える本」「もう怒らない」「怒りの扱い方」「人はなぜ怒るのか」「怒りに回されない本」「怒りがス~ッと消える本」「怒りよさようなら」「アンガーマネジメント」等々です。

結論としては、「怒りん坊の人は、人やモノに期待することが多い」と言えそうです。人やモノが、自分の期待通りに動いてくれないから、それで腹を立てるのです。

「電車は、時刻通りに来るべきだ、来る筈だ。」
「店員さんなら、客である私に、丁寧に接客するべきだ、する筈だ」等々です。

さて、私のカウンセリングルームにも「短気を直したい」「怒り感情をコントロールしたい」「怒らない人になりたい」という訴えでご来室される人がいるのですが、なかには双極性障害の人や自己愛性パーソナリティ障害の人がいます。

双極性障害の人は、自分の感情をコントロールするのが大変に困難です。だから、人目もはばからず、大喜びしたり、激怒したりするのです。

次に、自己愛性パーソナリティ障害の人は、自尊心が高く、それでいてもろいものですから、直ぐに「馬鹿にされた」と言って怒ることが多いです。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、常に賞賛される必要性を持っているので、普通に扱われただけでも、「馬鹿にされた」と言って怒ります。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、幼児的万能感が高いものですから、出来ないことがあると、「そんな馬鹿な!」と言って怒ります。
正に、怒ってばかりですね。

怒りん坊の人は、努力すれば、認知を変えれば、徐々に怒り感情をコントロールできるようになってくるものですが、双極性障害の人は、脳という臓器の中を飛び交う神経化学伝達物質の状態によって、怒り感情を爆発させているものですから、薬物を用いないと、なかなか怒り感情をコントロールできるようにはなっていきません。
また、自己愛性パーソナリティ障害の人は、怒り感情が、その人の人格障害から来ているものですから、なかなか良くはなっていきません。

如何でしょう?

あなたは、ただの怒りん坊ですか?
ひょっとすると、双極性障害ではないでしょうか?
それとも、自己愛性パーソナリティ障害ではないでしょうか?

そして、
あなたの隣人は、ただの怒りん坊ですか?
ひょっとすると、双極性障害ではないでしょうか?
それとも、自己愛性パーソナリティ障害ではないでしょうか?

もしも、あなたが、双極性障害であるのなら、病院へ行ってお薬を貰って飲んだほうがいいでしょう。
もしも、あなたが、自己愛性パーソナリティ障害であるのなら、それを強く自覚し、社会に適応できるよう、環境調整や性格改善に取り組むべきでしょう。

そして、
もしも、あなたの隣人が、双極性障害の可能性が高いのであれば、上手に病院へ行くことを勧めて欲しいし、
もしも、あなたの隣人が自己愛性パーソナリティ障害であるのなら、出来る限り距離を置くことをお勧めしたいと思います。

というわけで、今日は、「『怒りん坊の人』が、実は、『双極性障害』だった、『自己愛性パーソナリティ障害』だった」というテーマでお話しさせていただきました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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