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片づけのプロが教える、あなたの暮らしの悩みが解決しない原因かもしれないあの言葉

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

小中高4人の子どもを育てながら、いつもキレイではないけどすぐ片づく家で暮らしています。

情報が多く、暮らし方や片づけの正解っぽい情報が簡単に手に入る時代です。

自分に合う情報を上手に生活に取り入れつつも、あまり振り回されすぎず「自分はこうする」というこだわりや信念を持つことは大切ですが、「こうじゃなくちゃダメ!」と思い込むと窮屈に感じ、かえって問題が解決しないことがあります。

リビングにはソファとテーブルがセットじゃないとダメ?

ある30代夫婦の子育て家庭では、決して広いとは言えないリビングに3人掛けのL字型のソファとテーブルが置かれていました。

(イメージ)
(イメージ)

L字型のソファは、子どもが昼寝をする時などに大変便利なのですが、テーブルは少し大き目で、ソファに座るためにテーブルとソファの狭い間を通らなくてはいけません。

子どもがまだ小さく伝い歩きをする時は、ソファとテーブルにつかまることができよかったそうですが、幼児になった今では、テーブルの上にはいつも何かが置きっぱなしになり、おもちゃはテーブルの下にも転がり、後片づけが大変です。

子どもたちが遊ぶスペースも狭くなり、テーブルの角で頭を打ってしまうことも考えられるので、私はテーブルを今は使わないことを提案しました。ソファとテーブルは、セットで買ったものだったようで、どうやらセットで使うものとずっと思っていたそうです。

結婚した時に、夫婦二人で選んだ大切なソファとテーブルですが、暮らしは変わります。更新していくものです。自分は(我が家は)今、何を一番大切にしたいのか?を考えないと暮らしはどんどん窮屈になってしまいます。

今、この夫婦に大切なのは、子どもが楽しく安全に遊ぶスペースを手に入れ、それを穏やかに見守ることのできる環境でした。

シンクには洗い桶がないとダメ?

別のある女性Nさん(20代)は、仕事が忙しく家事を効率よくこなしたいと思い、家事の動線を考えながらモノや家電などを配置していました。

しかし、Nさんのキッチンには長い間使っていないモノがありました。

それは洗い桶です。

Nさんは引越しをした時にホームセンターで洗い桶や三角コーナーなどの新生活用のセットを買いました。

洗い桶の中に水を溜め、その中に食器を入れておくために買ったのですが、実際はサッと下洗いをしすぐ食器洗い乾燥機に入れるので、洗い桶はあまり使わなかったそうです。

使わなくてもシンクに置いたままなので、ただでさえ狭いシンク内はもっと狭くなり、鍋を洗う時には邪魔です。

そして洗い桶の底は濡れていることが多くすぐにヌルヌルしてしまいます。Nさんはそのたびに塩素系漂白剤を使いキレイにしていました。

自分の育った家庭の暮らしが基準になることがありますが、Nさんも「シンクには洗い桶」と言う環境で育ってきたので、たとえ狭くても、使わないのにヌメヌメ汚れ落としを繰り返していても何も違和感を感じていないようでした。

シンクには洗い桶があった方がよい人もいますが、Nさんが大切にしているのは「効率」です。今のNさんには、シンク内が広く使え、掃除などの手間がかからないほうがよかったのです。

掃除機はコレじゃないとダメ!は私の思い込みだった。

そして、私自身も最近「こうじゃなくちゃダメ」が暮らしを窮屈にしていたことに気づいた出来事がありました。

長年使っていた掃除機が調子が悪く、次はどのタイプがいいのか迷っているうちに結局買うに至らず時間だけが経過していました。

掃除のたびにいつも以上に大きな音を立てる掃除機、しかもいくら充電をしても運転時間はかなり短く、掃除をするたびにイライラしていました。

ある日母の薦めで思い切って手ごろな価格のスティックタイプの掃除機を買ってみたところ、とにかく軽くてびっくりしました。

ちょっとでも時間があると手にして掃除をしたくなる軽さで、掃除機をかけることが楽しくなり、今まで頻繁に掃除機をかけなかった階段や2階の寝室、子ども部屋、洗面所やクローゼットなどがいつもキレイを保てるようになったのです。

私は今まで、掃除機はこのメーカーじゃないとダメ!と思い込んでしました。確かにユーザーも多く、評判のいい有名なメーカーです。

しかし、私(我が家)の現状は

・4人の子どもがいる。
・そのうち3人は野球をしていて家の中に砂を持ち込む
・猫が4匹もいる
・我が家の女性陣はみんな髪が長い
・私自身がめんどうくさがり屋である

この現状を考えたら、別に有名なメーカーの掃除機じゃなくてもよく、一日に何度も掃除をすることができる手軽さが最も我が家には必要だったのです。

自分は何を求めているのだろう?

自分が当たり前に思っていた「こうじゃなくちゃダメ!」がかえって、悩みの解決から遠のいたり、窮屈に感じる原因になることがあります。

過ごしにくさ、使いにくさ、不自由や違和感を感じた時に

自分は(我が家は)何を求めているのだろう? 
どうしたいのだろう?
何を一番大切にしたいのだろう?

と自分に問いかけたり、これまでの「こうじゃなくちゃ」を疑ってみると、自分が本当に大切にしたいことに気づいたり、これまで見えなかったことが見えてくるかもしれません。

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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ)

1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。2012年整理収納アドバイザー1級。CTB生放送102回9年間出演。セミナー回数100回、受講生2000人以上で片づけの概念が変わると高い評価を受けている。

長男との片づけバトルを通して好きなモノを「選ぶ」ことが片づけには大事だと実感。

現在は片づけに興味があるなし関係なく、自分の人生をよりよくしたい人向けに、モノを選び残す楽しさと選ぶことにより暮らしが充実することを発信し、人それぞれが「自分の選ぶ」を楽しむ時代を作るため活動の幅を広げている。

二男二女の母で「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」で暮らしている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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