30代単身の平均資産は327万円 資産ゼロ3割も 同世代と同じくらい貯めるには
「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」によると、30代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)は327万円です。
ただし、背の順のように金融資産が少ない人から並べて世の中の人の真ん中の数字である中央値で見ると70万円に。調査に回答をした30代単身世帯の31.1%が金融資産ゼロなので中央値は低くなるのです。他方で多額の金額を持っている人もいるので平均で見ると金額が押し上げられます。
ちなみに、年代ごとの結果は下記になります。
20代の平均は113万円(中央値8万円 金融資産ゼロ43.2%)
30代の平均は327万円(中央値70万円 金融資産ゼロ31.1%)
40代の平均は666万円(中央値40万円 金融資産ゼロ35.5%)
50代の平均は924万円(中央値30万円 金融資産ゼロ41%)
60代の平均は1305万円(中央値300万円 金融資産ゼロ29.4%)
「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」
金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
「金融資産」とは定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用のためまたは将来に備えて蓄えている部分となり、現金、預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除きます。
目標を細分化させ、天引き貯金をして自動で貯める
貯金がなかなかできないという人はまずは利回りを気にせずにまずは貯金の仕組みを作ることが大切です。
例えば、現在30代で貯金額は100万円。10年後に40代の平均の666万円を目指すなら、10年間であと566万円を貯める必要があります。年間56万6000円ですね。月々約5万円を貯める、ボーナスから約20万円と月々3万円貯めるなどが考えられます。大きな目標は小さく分解をすると達成しやすくなります。
私がおすすめする貯金の方法は「自動」でお金を貯めていく方法です。給料をもらったら真っ先に自動積み立てにし、具体的には普通預金から毎月一定の金額を定期預金に預け入れる「積立定期預金」や、勤務先の「財形貯蓄」「社内預金」「確定拠出年金(401K)」などを活用します。投資をしたいという人は「つみたてNISA」でももちろんOKです。
上手に貯金するための大切なポイントは、自由に引き出せる普通預金にお金を全額置いて置かないということです。目の前にお金があるとついつい使ってしまいがちですし、お金があるのに使えないとストレスにもなりかねません。
そこで、例えば、給料の30万円が銀行口座に入金されたら、真っ先に5万円を定期預金の口座に自動的に移動させる仕組みを作り、25万円で生活をしてみましょう。このとき、5万円はないものと考えるのが貯金を成功させるコツです。
貯金額の目安としては、扶養家族のいない独身の間は貯めどきなので、手取りの給与の20%(30万円の場合6万円)程度を積み立てできれば優秀ですが、貯金したことがない人は手取り月収の10%程度から始めてみるのと無理がありません。余裕がないという人の場合は、月1万円からでもよいのでまずは始めてみることが大切です。
資産運用をするのも有利
銀行預金でももちろん目標金額を達成できるなら良いです。しかし、資産運用をすることでお金を殖やしていく可能性を高めることができます。
「72の法則」というものがあり、預けた元本(元手)を金利によって2倍にするには、どれだけの年数がかかるのかを知ることができます。計算方法は簡単で、72を金利(複利)で割れば2倍になるまでのおよその年数が分かります。
例) 年利(複利)3%の場合 72÷3=24
つまり、3%複利で運用すれば、24年で元金と利息の合計が元金の2倍になることが分かります。
初心者におすすめできる金融商品に「投資信託」があります。投資信託は、複数の企業の銘柄が組み入れられたパッケージ商品です。つまり、個別企業のニュースを日々追い続ける必要がありません。
TOPIX(東証株価指数)やダウ工業株30種平均に連動するような投資信託もあるので、新聞などで指数をチェックしやすいですね。投資信託を利用することにより、日本にいながらも簡単に国際分散投資が可能になります。
ただし、投資をすれば、資産が増えるかもしれないけど減るリスクもあります。できる限り安全に運用するには、リスクのある商品は小額で始めること、株式と債券などに分散をすることが大切になります。現在では、投資信託も月100円程度から積み立てられる場合もあります。勉強も兼ねて最初は少額で試してみるのも手です。
また、実践とともに理解を深めるために資産運用の本を読むことをお勧めします。最初はわかりやすい本から始めて興味が持てたら関連本を読み込んでいけばよいでしょう。今はYou Tubeやクラブハウスなどでも無料で情報が取れるのでよい時代だと感じます。