間もなくゴング! WBCフェザー級タイトルマッチ
WBCフェザー級タイトルマッチのゴングまで、残すところ半日となった。24戦全勝16KOのフィリピン人チャンピオン、マーク・マグサヨにとっては初防衛戦だ。挑戦者は35戦全勝22KOで、WBCスーパーバンタム級に続き、2階級制覇を狙うレイ・バルガス。
前日計量では、チャンプも挑戦者も125.5パウンド。共に一発でパスした。
両者が並ぶと、嫌でも身長差が目に留まる。バルガスの179センチに対し、マグサヨは168センチ。リーチは挑戦者が179センチで、チャンピオンは173センチ。
また、両者がそれぞれ名トレーナーの教えを受けている点も見逃せない。マグサヨのチーフセコンドは、マニー・パッキャオを育てたフレディ・ローチ。バルガスのトレーナーは、イグナシオ・"ナッチョ"・ベリスタイン。参謀同士の戦いも見物である。
キャンプ打ち上げ時にマグサヨは話した。
「フィリピンの威信を懸けて戦い、今年初めに世界タイトルを獲得したことを光栄に思います。でも、自分は満足してはおらず、今までと同じようにハングリーです。祖国に戻り、多くの方に祝福された際には感激しました。
今回、非常に長身の選手と戦いますが、彼が必要以上に逃げ回らないことを期待します。まぁ、私は自分の距離で戦い、KOしてみせますがね。彼がどんな戦い方をしても、準備万全です。素晴らしいパートナーたちとのスパーリングを重ねてきましたから。タイトルを奪取したゲーリー・ラッセル・ジュニア戦と同じように、自分のフットワークが鍵になるでしょう。私の対応力が問われるでしょうね。
伝説のトレーナーであるフレディ・ローチのコーチを受け、パンチの正確さが増したことを実感します。ファイターとして確実に成長しましたよ。また、パッキャオからは、ボクシングに集中することこそ最も大事だと学びました。ただ、私はパッキャオ2世ではありません。彼は唯一無二の存在です。自分の目標は、とにかく自分が一つでも高く上り、功績を築くことです。
自分の対戦相手全員が、私をKOしてやると発言しました。バルガスもそうですが、現実に出来るとは思えませんね。まぁ、そんな発言がモチベーションを上げてくれますよ」
レイ・バルガスも言った。
「この試合に向け、最高の準備をしてきた。常にステップアップすべく、最善の道を歩んでいる。圧勝してメキシコにタイトルを持って帰るよ。同胞や家族に勝利を届けるために、ハードなトレーニングをこなした。
ナッチョは俺がプロ入りしてからずっと、父親のような存在だ。俺のことを良く理解してくれている。『老人と海』みたいな経験をしているよね。俺もトレーナーとしての彼を分かっているよ。
俺は決して過信はしない。自分の能力を把握したうえで、懸命に練習してきた。エネルギーは満タンだ。メキシコvs.フィリピンはライバル関係にあるが、今回もいい試合になるだろう。自分をサポートしてくれる方々に感謝する。俺の新たな挑戦を見てほしいね」
さて今夜は、どんな試合が展開されるか。テキサス州サンアントニオ、アラムドームに間もなくゴングが響く。