最初の2登板で15奪三振以上&与四球1以下は、9年前の田中将大を含め1901年以降5人目
5月7日、ブライス・ミラー(シアトル・マリナーズ)は、6イニングを投げて得点を許さず、白星を手にした。この日は、メジャーリーグ2登板目。5日前の初登板は、白星こそつかなかったものの、6イニングで1点しか取られなかった。2登板の被安打は計4本、奪三振は計15、与四球は計1だ。
MLB.comのサラ・ラングスによると、1901年以降、デビュー2登板で計15三振以上を奪って与四球1以下は、ミラーが5人目。その前の4人は、2007年に15奪三振&与四球0のアンディ・ソナンスタイン、2008年に18奪三振&与四球0のジョニー・クエイト(当時シンシナティ・レッズ/現マイアミ・マーリンズ)、2014年に18奪三振&与四球1の田中将大(当時ニューヨーク・ヤンキース/現・東北楽天ゴールデンイーグルス)、2018年に16奪三振&与四球0のニック・キンガムだという。
この4人のうち、クエイトと田中は、オールスター・ゲームに2度選出されている。一方、ソナンスタインは、メジャーリーグで投げた5シーズンとも、防御率は4.30以上。キンガムは、2018年も2019年も防御率5.20を上回り、過去3シーズンは韓国、今シーズンはメキシコで投げている。
ミラーは、2021年のドラフトで、マリナーズから4巡目・全体113位指名を受けた。プロ3年目の今シーズンは、昇格まで、AAで4試合に登板し、19.2イニングで奪三振率8.24と与四球率1.37、防御率6.41を記録していた。
このスタッツからすると、メジャーリーグ2登板の快投は、偶然のようにも見える。ただ、そうではない可能性もある。スタットキャストによると、ミラーが2登板で投げた166球中、70%以上を占める4シームの平均球速と平均スピン(回転量)は、95.6マイルと2604RPM(回転/分)だった。
今シーズン、4シームを100球以上投げ、ミラーを上回るスピンを記録している先発投手はいない。リリーバーを含めても、ライアン・ヘルズリー(セントルイス・カーディナルス)の2649RPMに次ぐ。ちなみに、ジェイコブ・デグローム(テキサス・レンジャーズ)は2550RPM、ゲリット・コール(ヤンキース)とダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)は2431RPMだ。