【河内長野市】子育ての町河内長野だからこそ、安心安全なオーガニック給食の実現に向けた勉強会があります
食べ物などで最近「オーガニック」という言葉を聞く機会が増えたのではないでしょうか?日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会によれば、オーガニックは有機と同じ意味とのこと。
上記のオーガニック協会によれば、自然界に存在する微生物が有機物を分解し、それを植物が吸収し光合成で栄養をつくります。それを人間や動物が食べて生きているという、地球上の植物連鎖でつながっていることを理解する必要があるとのこと。
人間が健康に生きていくために、自然界に存在する微生物や土壌や水、大気のことを意識しようという活動です。
より具体的に言えば、科学的な農薬や肥料などを使わないもののことで、自然のままの物を摂取することにより、健全な食物連鎖を目指すとのこと。
食に関していえばオーガニックの人気も高くなっており、専門店ではなくても実際にスーパーの店頭でも、オーガニックを意識したものが並ぶようになっています。河内長野市内では、それから一歩進んで、オーガニック給食の実現のために、それを学ぶ取り組みがあります。
河内長野では、かつて親が子のためにお弁当を作って持たせることが思春期の難しい年代の子供とのコミュニケーションにつながるという「愛情弁当論」があり、中学生の全員給食には否定的な時期がありました。しかし市民の強い要望もあって、2022年に中学校全員給食が導入されることが決定されました。それを実行するために、赤峰市民広場を閉鎖して産業用地にする事業の中で、その一部の用地を使って新しい給食センターを建てることになったのです。
中学生全員給食を実施する運動を続けていた一部のメンバーは、次の段階として、給食の中身を変えていくこと、オーガニックを取り入れた給食にしてもらうための運動を続けようと、2023年に新たに「河内長野オーガニック給食チーム」を発足しました。
最終的に、安心安全のオーガニック給食になるように行政に働きかける目的を持つチームですが、今の時点ではまずオーガニックの給食についての他行政の成功事例などを自主的に学んでいます。
そして定期的なイベントも行い、オーガニック給食の大切さをより多くの人に共有してもらおうという活動も行っています。
次回は8月21日に、かしはら(奈良の橿原)オーガニック代表の山尾吉史さんによる講演会が行われる予定です。
では、実際に河内長野オーガニック給食チームのイベントとは、どんな内容で進められているのでしょうか?7月2日にノバティながの南館で行われた前回のイベントの様子をご紹介します。
この日の講演は、中河内の八尾で、オール市民参加型でオーガニック給食のビジネス化を目指している、ゆめプロ代表の小笹霞(まるちゃん)さんによる講演でした。
まるちゃんさんは、休耕地を活用してオーガニック農産物のビジネス化やオーガニック給食を提供しようという試みを目指している方です。
河内長野オーガニック給食チームよりも先に進んでいる方の話を市内に住んで関心のある人たちと情報を共有することで、河内長野はどう進めていけばいいかを考えていこうという機会に繋げているわけですね。
休耕地はどこの地域でも年々増えているので、そこを利用しようという試みについてパネル表示とともに説明がありました。
まるちゃんさんは、食生活をオーガニックに変えたことで、身体に羽が生えたように楽になったという実体験を話されました。
日常の食べ物をオーガニックに変えてということは、多くの人が実践しているかもしれません。しかしまるちゃんさんはさらに一歩進んだ取り組みを行っています。
それは子供が通う幼稚園での給食のパンや調味料などに、違和感を感じたことがきっかけだったそうです。
まずはまるちゃんさんがひとりで行動を起こしました。実際に彼女の住む八尾市の行政に提案を行っていきますが、なかなかうまくいきません。そこで、まるちゃんさんは自ら実施してみようと考えます。
さらに、自分のところだけが変わっても意味が無いのではということに気づいたそうです。
ということで。少しずつですが全国的な運動にできればと、イベント出店などを通じて動き出しました。
こうして集まった同志たちと、休耕地を耕すことからスタートしました。
正直大変な労働ですが、やはり次世代を担う子どもたちのため、子どもが夢を持って意欲的に生きる社会の実現のために頑張るといいます。
そして採れた作物を地域の保育園に納入することを目標としました。
いよいよ開墾を行いますが、一般の農家のように機械などは持っていないので、人力・手作業で開墾から作物を植える段階までみんなで力を合わせて行いました。
これはひとつの例ですが、長崎のマミー保育園での実績で、オーガニック給食に変えたことによって病欠日数が減ったという統計が出たというのです。
そして、給食を変えたことで、いじめや非行、暴力が無くなったという情報もあるとのこと。信じられないことですが、実際のデータをもとに話をされました。
さらに、有機食品をとると農薬の使用された食材を食べてもデトックスできるという統計データもあるそうです。
日本での食料自給率は低いことはみんな知っていますが、地域による課題についても話をされました。都市部のある大阪の場合は自給率が2%以下との数字もあるそうです。
ただ、作物だけでなくその元である「種」の自給率も低いのが大きな問題であるとのこと。
また、作物の採算性も問題のひとつです。たとえばジャガイモ1kgを引き取ってもらう場合、価格が100円以下ということで、採算面が厳しいという話があります。
そういう現状であることが、オーガニック農業が厳しい理由のひとつでもあるわけですね。
それでも諦めずに続けることが大事である、やりぬくことで、次の道に進むことができたそうです。
まず、地域の保育園に自分たちが作ったおやつを納品しました。
障がい者福祉施設との連携もはかり、そのおやつの作成をしてもらいました。
こうして八尾を拠点とした試みは着実に前進しているそうです。
会員組織を作るなどして、やり方によってはビジネスとしても可能性があるのではというまるちゃんさんの話は、実現するかどうかは別としても着想がおもしろいなと思いました。
まるちゃんさんは、河内長野のオーガニック給食チームと連携して一緒にやっていけたらいいなということをを結論として講演が終わりました。
この後は、テーブルごとに分かれて、講演を聞いた感想などの話し合いが行われました。実際の成功しつつある事例を確認しながら、では河内長野ではどうすすめて行くのがベストなのか、自分のポジショニングを踏まえて、活発におのおのの意見を出し合っていました。
このセミナーには、一般のオーガニックに興味のある方だけでなく、河内長野の市職員さんや市議会議員さん、さらに富田林の市議会議員さんの姿もありました。
しかし、こうやって何回もミーティングを重ねたり、成功事例を知ることで、次のステップに進んでいくことの大切さを取材をしながら感じました。
最後に、オーガニックチームのメンバーから、農薬の無い昔はみんなオーガニックだったという話を聞きました。確かに!
当日は米粉のお菓子やコーヒーでティーブレイクし、販売も行っていました。
参加していて感じたことは、かしこまった講演会ではなく、少しでも興味があれば気軽に参加してもらって、みんなで話し合っていこうというオーガニック給食チームの考え方は興味深いということです。
会場の隅に、子連れで来ても良いような小さなキッズコーナーがありました。子どもを遊ばせてあげながら親御さんは大切なイベントに参加できるというわけですね。
河内長野オーガニック給食チームのイベントについて再度お伝えします。日時は8月21日の9:45〜11:45で、場所はキックス3Fの中会議室です。
キックス3階中会議室(子どもに届けようオーガニック給食2)
住所:大阪府河内長野市昭栄町7-1
日時:8月21日 9:45~11:45(受付:9:20~)
参加費:1,200円(特別栽培されたお米で作ったおにぎり付き) ※18歳未満は無料
要予約制(キッズスペースあり)※8/18締め切り
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 市民交流センター前 バス停下車すぐ
instagram 河内長野オーガニック給食チーム(問い合わせ先)
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