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日本最大のスマホ決済はSuicaではなくiDになった秘密 それは「あの」便利さ

山崎俊輔フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP
たくさんあるスマホ決済、1位はSuicaを上回りiDになりました(提供:Mono_tadanoe/イメージマート)

楽天Edy、モバイルSuicaを上回る利用があったのはなんとiD

あなたのスマホにキャッシュレス決済を「いくつ」設定しているでしょうか。

おサイフケータイ系では、iDとQUICPay、モバイルSuica、楽天Edyとnanacoモバイル、モバイルWAONがあり、QRコード決済系では、PayPay、d払い、楽天Pay、auPay、LINEPay、メルペイなどがあります。

利便性でいえば、モバイルSuicaが利用店舗がもっとも多いように思います。JRや地下鉄のほとんどが交通系カードとして対応するほか、コンビニ、ドラッグストア、家電量販店、タクシー、駅ビルなどたくさんのお店で決済できるからです。JR東日本系のVIEWカードを作ってチャージすれば合計1.5%の還元率になるのも魅力です。

ところが、MMD研究所の最新のレポートによれば、スマホに設定されたキャッシュレス決済の第1位は意外な決済手段でした。

それは「iD」です。

7/30 MMD研究所 最も利用しているスマホ非接触決済サービス、トップは「iD」が24.4%、次いで「モバイルSuica」が23.1%

iDとQUICPay、「チャージ不要」がとても便利

iPhoneにはApple Pay、AndroidにはGooglePayという決済方法がありますが、日本では、何らかの決済方法をひもつける形で利用します。

先ほどの「モバイルSuica」などはSuicaのアプリを設定することで、iPhoneやAndroidスマホの決済方法として利用できるようになります。あまり意識しませんがこれもApple Pay、GooglePayの決済方法のひとつです。

Suica等の設定をしたくない場合、Apple PayやGooglePayにクレジットカードを登録することができます。このときクレジットカードの情報とともに、「iDもしくはQUICPay」として登録されます。

カードの種類によってどちらかが登録されるのですが、コンビニなどの店舗では「iDで」というように告げれば、カードの細かい種類は告げずにキャッシュレス決済ができます。

スマホを決済端末にタッチすればOKで、支払い情報がそのままクレジットカードの利用額として通知される仕掛けです。

つまり「チャージしなくてもいい」のがiDとQUICPayのメリットです。モバイルSuica等が利用直前に残高をチェックし、チャージのことを気にしなければいけないのと大きな違いとなっています。

VisaがApple Pay登録可になったことでiDのシェアはさらにアップするかも

引用した調査は、まだまだデータの継続性が十分ではなく、毎回数字がぶれる傾向があります。また上位3決済方法のシェアは拮抗しており、今回の数字だけをみて「iDが天下を取った!」と断じるのはまだまだ早計です。

しかし、iDがもしかするとシェアを伸ばすのではないか、という可能性はあります。

というのは、今年の5月からApple PayにVIsaカードが登録できるようになったからです。国内で流通している主要ブランドであるMasterカード、JCBカードはかねてよりApple Pay登録が可能だったのですがVisaだけは対応が遅れていました。

Visaを登録した場合、「Visaで払います」という形でスマホ決済(Visaタッチ)をすることもできるのですが、Visaタッチに対応していない店舗もあったりします(「Visa)))」のようなマークがあれば対応店舗)。この場合、iD対応店舗は多いので、「iDで」といえば決済できます(Apple Payの画面でクレジットカードのロゴにiDがある場合)。

一度使ってみると、チャージ不要というのはなかなか便利です。また、クレジットカードをカードケースなどから取り出して挿入(あるいはタッチ)、もう一度しまい直す面倒より、スマホをタッチするほうが便利が勝ります。

かつてはQRコード決済のほうが高還元率だったため、iDとQUICPayの魅力が劣りました(クレジットカードのポイントしかもらえなかったため)。しかし、高還元率競争が一巡した今では、「クレジットカードのポイントを確実にゲットしておけばOK」というケースが増えています。

スマホ決済でのiDとQUICPayの利用率はこれから徐々に高まっていくかもしれません。

利用シーンで他に負けていないiDとQUICPay、試してみよう

iDとQUICPayの場合、支払いが後払いでクレカの請求にまとめられるのも便利です(もちろん、使いすぎには注意が必要ですが)。

そう思って、日常生活のシーンを見回してみると、実は「iD」「QUICPay」のロゴは多くの店舗で貼られていることに気がつきます。店員もそれなりに理解しているので、まごつくこともほとんどありません(例えば「Visa、タッチで」というと、まだまだ利用率が低いため、対応店舗でも店員が焦ってしまうことが時々あります)。

私自身、実はスマホに登録したクレジットカードを何枚か、財布から出して自宅に置くようにしました。実際問題として、クレカを直接提示しなければいけない店舗(と買い物)はほとんどないからです。

盗難リスクもあり、また財布が重くなるくらいなら、カードはできるだけ持たないほうが便利です。これもまた、スマホ決済にしておく便利さかもしれません。

Apple PayやGooglePayにクレジットカードを登録するのはとても簡単です。iPhoneでカードを写真撮影するとカード番号を自動で読み取らせることもできるので、あっという間に認識終了します。

もし少しでも興味があったら、カードの登録をして「iD(もしくはQUICPay)で」とお店で支払いをしてみてください。きっと便利さが実感できるはずです。

フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP

フィナンシャル・ウィズダム代表。お金と幸せについてまじめに考えるファイナンシャル・プランナー。「お金の知恵」を持つことが個人を守る力になると考え、投資教育家/年金教育家として執筆・講演を行っている。日経新聞電子版にて「人生を変えるマネーハック」を好評連載中のほかPRESIDENTオンライン、東洋経済オンラインなどWEB連載は14本。近著に「『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」「共働き夫婦お金の教科書」がある。Youtube「シャープなこんにゃくチャンネル」 https://www.youtube.com/@FPyam

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