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韓国で今月バズった日本関連動画 「井手上漠」と「TWICEミナ」

(写真:Splash/アフロ)

今月、韓国で多く見られた日本関連のYouTube動画は何か。

このデータはつまり「韓国での日本」の関心度の実態が分かるデータでもある。

韓国の大手世論調査会社「韓国ギャラップ」が2022年9月に実施した調査によると、韓国でのSNS利用率のうちYouTubeはダントツ1位の「93%」(ちなみに以下はNAVERBANDの43%、インスタグラムの36%、カカオストーリーの33%、フェイスブックの32%、ツイッターの15%、TikTokの14%)。

この「韓国で見られた日本のYouTube関連動画」のデータを提示しているのが現地のビックデータサイト「SOMETREND」だ。同サイトで7月1日から30日まで「イルボン(日本)」というキーワードで検索をかけた。動画部門で1位と2位になったのは以下のコンテンツだった。

1位 ギャップ萌えがヒリヒリするほどの日本のお姉さんwwww

645万回再生。

モデル、タレントとして活動中の井手上漠さんが韓国で紹介された。2018年『第31回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト グランプリ』でDDセルフプロデュース賞を受賞し、“かわいすぎるジュノンボーイ”として話題のジェンダーレス男子だ。

彼が「日本のコンテストで17,000対1の競争率を突破し」「12人のファイナリストに選ばれた」と紹介。

「コンテストでは1位にはなれなかったものの、大きな話題となった」としつつ、「清らかな魅力で男性の心を揺さぶる」本人が「男性である」と伝えた。

子供のころから人形遊びを好み、友人たちは彼女を避けたが、母親は理解と支援を示した。そのおかげで勇気を得て芸能界デビュー。今はテレビに出演し、インスタグラムでファンと交流中、としている。

コメント欄には韓国のユーザーたちが井手上さんの「ギャップ萌え」に本当に驚く様子が記されている。

「すべての(日本の)漫画の素材には実物がいるってことか?」

「男だと思って見ても、本当にかっこいいね… 」

「本当にお母さんは尊敬に値しますね」

「子供の全てを理解し、受け入れるお母さんの行動。誰にでもできることではありませんね」

2位 調べてみると希少価値のある日本の貴族家門出身ミナ

301万回再生。

TWICEの日本人メンバー、ミナのバックグラウンドを改めて紹介する内容だ。日本ではさして真新しい内容ではないものの、韓国では初めて紹介される部分もあるようだ。こちらは韓国語でのナレーション内容をすべて紹介しよう。

ミナの本名は「ミョウイミナ」。「ミョウイ」という姓は本当に、非常に珍しいもので、1億2千万人の人口の日本でも400人ほどしかいないと言われています。ミョウイ家は千年近い歴史を持つ家系で、西洋で言えば公爵、伯爵などと同じく、貴族の中の一つだと言えるでしょう。

昔の状況ならミナは地位の高い貴族の家で生まれた姫と言えるでしょう。姫とは天皇や将軍、大名などの貴族の家の娘を敬って呼ぶ言葉で、(韓国では)最近、よく「公主(コンジュ)」と呼ばれています。

余談として、ミナの亡くなった祖父は日本最高のペイント会社、日本ペイントの元社長だったと言い、父親は国立大阪大学医学部整形外科教授として勤務しているのですが、単に教授職を務めているだけでなく、世界中でリウマチ治療分野では五本の指に入る大学者だといいます。以上です

この動画に対して…日韓の歴史と絡めての発言も多く見られた中、「ミナの魅力の背景が分かった」というコメントも見られた。

「ミナを見ると、外見が本当に美しいと感じ、彼女の行動やジェスチャー、表情を見ると何かしらゆっくりなように見えるけれど、落ち着いていて急がない、平和で何かしら優雅だと思った。やっぱりそうだった」

「穏やかな美しさが無理に出ているわけではなく、真似しようとしても出せないオーラがある。ミナが一番好き、とても綺麗だ」

「やっぱり、優雅なミナ」

このランキングを毎月のように調査しているが、ほぼ芸能関連の話題が上位を占めている。韓国では昨年秋ごろから日本のエンタメへの関心が高まっており、その流れが反映されるかたちとなった。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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