台風1号の北上に先駆ける”メイストーム”にも十分注意を
台風1号が発生し、日本の南を北上する予想
気象庁から、フィリピン付近にある熱帯低気圧は、今後12時間以内に台風へ発達する見込みとの情報がきのう24日(金)から出されていますが、きょう25日(土)午前9時の段階でも、まだ熱帯低気圧という解析になっています。
現在、海水温が30度以上ある暖かな場所を進んでいるものの、フィリピン付近の陸地が多い場所を進んでいるため、海面上からの水蒸気の補給が予想より少なく、発達に時間がかかっているのかもしれません。ただ陸地の多い場所を抜けるあす26日(日)までには台風となる可能性が高いと思われます。発生すれば、統計史上7番目に遅い台風1号の発生となります。(関連記事)
台風1号は、やや発達しながら週明け28日(火)には沖縄本島の南を通過し、29日(水)にかけて、日本の南を北東へ進む見通しです。また30日(木)の予報円は直径1000キロほどとやや大きくなり、北側を通れば関東へ上陸するような予想となっていますが、様々な計算結果からこの予報円は速度の違いによる東西方向へのぶれ幅を見込んでいるものと思われ、陸地にかなり近付くような計算はあまりありません。
このため、本州付近には台風1号による直接的な影響は小さいとみられますが、梅雨前線の活発化による大雨の可能性はありますので、台風1号が通り過ぎるまでは油断が出来ません。さらにこの台風1号が北上してくる前にやってくる”メイストーム”にも十分な注意が必要です。
”メイストーム”を経て、台風1号が北上へ
上図は週明けの気象現象の流れを予想しているものです。まず①にあるように、あさって27日(月)は、台風1号がまだフィリピン付近にあって、日本付近へ影響することはないでしょう。ところが、日本海を進む発達した低気圧の影響で、全国的に強い南風が吹き、横殴りの雨となる所がありそうです。いわゆるメイストーム(5月の嵐)に十分な注意が必要です。
②から③にかけての28日(火)は、”メイストーム”をもたらした低気圧は北海道の東へ遠ざかり、本州付近で梅雨前線が顕在化するとともに、南から台風1号が北上してくる見込みです。梅雨前線にはもともと南から湿った空気が流れ込み、活動が活発となる計算でしたが、ここに台風1号周辺の湿った空気が流れ込めば、さらに雨雲が発達する可能性があります。
そして④の29日(水)になると、台風1号はさらに北上しますが、梅雨前線の活発な雨雲は、午前中には関東の東へ抜ける予想となっていて、その後、台風本体の活発な雨雲は海上を通り、東海上へ抜ける予想です。
これらのストーリーは梅雨前線の位置や台風1号の北上具合、速度の違いにより、ぶれる可能性がありますので、今後も発生した後の台風1号の進路予想や梅雨前線の動向にご注意ください。
あさって27日(月)は、特に強まる南風に十分注意を
あさって27日(月)の荒天に関してもう少し詳しくみてみると、上図のように発達した低気圧が日本海北部から北海道に向かって東進し、この低気圧に向かって、全国的に強い南風が吹き込むでしょう。特に東日本や北日本の沿岸部では、平均10メートルから15メートル程度の強風が吹き、瞬間的には20メートル以上の突風を伴う所も多くなりそうです。
4月から5月頃に、日本海を進む発達した低気圧の影響で、全国的に雨や風が強まり大荒れとなることがあり、これを気象的にメイストームと呼ぶことがあります。今回もメイストームと呼んでもおかしくない状況となるおそれがありますので、台風1号の北上に先駆ける荒天には十分な注意が必要です。
28日(火)は梅雨前線の大雨に十分注意
”メイストーム”が終わると今度は、梅雨前線による大雨のおそれがあります。28日(火)午後3時までの72時間降水量は九州南部で150ミリ以上、東海から四国にかけても局地的に100ミリ以上が予想されています。
梅雨前線や台風1号の動向にもよりますが、このあと東日本を中心に雨がピークとなり、29日(水)午前中にかけて、雨量がさらに増える可能性があります。今のところ、極端な大雨となる可能性は小さいものの、警報級の大雨となる可能性はありますので、最新情報にご注意ください。