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子供の問題解決は心ではなく技能!?:ソーシャルスキルの心理学

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真はイメージ)(写真:アフロ)

<ソーシャルスキルが子供の人生を決める>

■心が大切?行動が大切?

このページは心理学のページですから、もちろん心の大切さを語ります。でも、人の心は言えません。その人がどんなに愛にあふれていても、その愛自体を見ることはできません。どんなに善意の人でも、その善意自体を見ることはできません。

私たちに見える(感じられる)のは、表情であり、姿勢であり、メールの文字や聞こえてくる声なのです。

■ソーシャルスキル

もしも心がどんなに素晴らしくても、その心が伝わらなければ意味がありません。逆に心が伴っていない時ですら、外から見える態度がしっかりしていれば、それなりに評価されるでしょう。人間関係も上手くいくでしょう。

きちんと挨拶できる、報告連絡相談ができる、ごめんなさい、ありがとうが言える、そうすれば、きっとなんとか生きていけます。

これらの言動を、ソーシャルスキル(社会的技能)と呼んでいます。子供でも大人でも、上手く行かないのは、心の問題ではなく、ソーシャルスキルが足りないからと考えることもできます。

そしてソーシャルスキルは、トレーニングによって改善できるのです。

たとえば、引越しをした幼い子供が最初に覚えなければいけないのは、友達の輪に入る方法です。

私は子供の頃、「いーれーて」と言って、子供の遊びの輪に入っていました。文字では表しにくいのですが、独特の抑揚があります。新潟市中央区では、「よーせーて」と語っている子供たちを見ました。

「かくれんぼするものこの指とーまれ」と誰かが言って、人差し指を突き出す。すると一緒に遊びたい子たちが、その子の指をつかむ。そういう知識がないと、遊びの輪に入れないわけです。

これが大人になれば、名刺の渡し方、電話の受け答え、手紙の書き方になります。あなたやあなたの子供がうまく行かないのは、心の問題ではなく、ソーシャルスキルが不足しているからかもしれません。

■思春期に必要なソーシャルスキル

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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